パナソニック ホールディングスは、同社が開発したバイオマス度90%以上のセルロースファイバー成形材料「kinari」のサンプル販売を開始する。石油由来樹脂のポリプロピレンをバイオポリエチレンに変更し、バイオマス度を高めた。
パナソニック ホールディングスは2024年1月16日、同社が開発したバイオマス度90%以上のセルロースファイバー成形材料「kinari(kinari90)」のサンプル販売を同月より開始すると発表した。
同社はこれまで、CO2削減の一環として、天然由来のセルロースファイバーを使った材料開発を進めてきた。2019年には樹脂にセルロースファイバーを55%以上混入した成形材料「kinari55-PP」を、2021年2月にはセルロースファイバーを70%混ぜたkinari70を開発している。
kinari90は、バイオマス度をさらに高めるため、石油由来樹脂のポリプロピレンを廃糖蜜を原料としたバイオポリエチレンに変更。廃糖蜜はサトウキビの搾りかすで、これを利用することでバイオマス度を90%以上に高めながら、kinari55-PPと同等の強度維持に成功した。
サンプル販売は、パナソニック プロダクションエンジニアリンが担当する。併せて、これまでサンプルを販売してきた「kinari70」は、「kinari70-PP」として量産販売する。また、顧客のニーズに応じて、材料物性の調整、金型や成形プロセスなど生産財の提供も実施する。
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