帝国データバンクは2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震による企業活動への影響について、特に被害が大きい能登半島を中心に、2023年11月時点の企業データに基づき調査、分析を行った。
帝国データバンクは2024年1月17日、同月1日に発生した令和6年能登半島地震による企業活動への影響について、特に被害が大きい能登半島を中心に、2023年11月時点の企業データに基づき行った調査、分析結果を発表した。
石川県、富山県の13市町村が含まれる能登半島に対し、他地域から営業所や工場などの拠点進出を行った企業は、2023年11月時点で890社、1300拠点が判明した。最も多いのは七尾市で293拠点(構成比22.5%)だった。かほく市が148拠点(11.4%)、津幡町が134拠点(10.3%)、氷見市(富山県)が130拠点(10.0%)の順となった。
震源地に近く、特に被害が大きいとみられる輪島市は74拠点(5.7%)、珠洲市は50拠点(3.8%)、能登町は53拠点(4.1%)だった。
1300拠点のうち、製造拠点など工場は全国から136社、177拠点が進出していた。工場の拠点数で最も多いのは志賀町の29拠点(構成比16.4%)で、津幡町の24拠点(13.6%)、七尾市の22拠点(構成比12.4%)と続いた。輪島市は9拠点、珠洲市は15拠点、能登町は8拠点だった。
工場を有する企業のうち、国内の証券取引所に株式上場する企業または売上高が100億円以上の企業(主要企業)26社を対象に、工場の被害状況などについて1月15日時点の開示書類を集計した結果、約4割にあたる10社で生産を停止し、再開時期を未定とした。
未定となった主な理由として、工場施設などに損壊を受けた、または従業員らが被災したなどで、設備などの点検や安全確認が必要となったほか、周辺道路や電力などインフラの復旧が不透明な点が挙げられた。
一方で、設備の被害は軽微であることから段階的ながら生産再開を見込める企業や、既に生産再開を進めた企業も合わせて4割に上り、能登半島での生産再開動向は企業によって対応が分かれたとした。
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