「そうそう、これは今年の話題だよなあ」なんて2023年の記事を振り返っていただきたく、毎年恒例の年間ランキングをお届けします。2022年より前のランキングも意外と面白いですよ。
年末です。1年間、お疲れさまでした。先日、ラジオから「今年のことだと思っていたら実は3年前の出来事だった」という笑い話が流れてきました。大人になるとそういうことが増えるのでしょうか。コロナ禍の数年で時間の体感が狂ってしまった感じもあります。
自動車業界の方々は、数年後に市場投入するものに取り組んでいる人もいれば、今日や明日、数週間や数カ月先のことに集中している人もいらっしゃることでしょう。そんな目線の違いも時間の体感を変えたりするのでしょうか?
「そうそう、これは今年の話題だよなあ」なんて2023年の記事を振り返っていただきたく、毎年恒例の年間ランキングをお届けします。オートモーティブフォーラムの記事を閲覧数でランキングにしています。
第1位は、現在も進行中のダイハツ工業の認証不正に関する記事でした。先日、第三者委員会による報告書が公表されましたが、この記事は4月時点のものです。トヨタ自動車 社長の佐藤恒治氏のコメントが興味深いので再掲します。
「十分に法規に適合する実力があるのに不正が行われているのは根が深い。NGをOKに書き換える以上に深刻だと考えている。試験の結果や開発プロセスをみると、複数回の設計変更の上で認証取得のタイミングを迎えている。本来であれば、正式な設計変更として申請すべきだった」
「切り込みを入れて弱い部分を意図的につくり、乗員へのダメージを下げる工夫は、通常の開発でも日常的に行われている。ドアトリムの変形パターンをコントロールしたいというエンジニアとして純粋な行為をなぜオープンにできなかったのか。この変更が必要だと主張できる環境であれば、不正にはならなかった」
第三者委員会は、過度にタイトで硬直的な開発スケジュールによる極度のプレッシャーが認証試験での不正行為が発生した直接的な原因であると指摘しました。開発期間を短縮する「短期開発」によって発生する負荷やその悪影響を考慮せずに、短期開発を推進し続けた経営幹部の責任は重いとしています。
不正行為が増加したのは2014年ごろからなのだそうです。ダイハツは2011年に「ミライース」で短期開発に成功し、2013年ごろから短期開発がさらに推し進められたと第三者委員会は報告書にまとめています。また、トヨタ自動車 副社長の中嶋裕樹氏は「2014年以降、小型車を中心に海外展開モデルやOEM供給が増えたことが現場の負担を大きくした可能性があることを認識できていなかった。深く反省している」とコメントしています。
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