日鉄エンジニアリングらは、高度な力覚を必要とする作業が可能なリアルハプティクスを搭載した「6自由度パラレルリンクロボット」を発表した。人に頼らざるを得なかった非定型作業をロボットに代替させることができる。
日鉄エンジニアリングは2023年11月27日、高度な力覚を必要とする作業に対応可能なリアルハプティクスを搭載した「6自由度パラレルリンクロボット(ヘキサロボット)」を発表した。同社と三菱電機、モーションリブ、慶應義塾大学が共同開発した。
同ヘキサロボットは、日鉄エンジニアリングが開発したリンク構造のアームと、三菱電機「MELSERVO-J5」シリーズのサーボアンプ、サーボモーターで構成される。
リアルハプティクスは、慶應義塾大学が発明した、アクチュエーターの力加減を自在に制御できる力触覚伝送技術だ。開発したヘキサロボットは、リアルハプティクスを適用した遠隔操作に対応し、高度で高負荷の力覚を必要とする作業ができる。
リアルタイムでの制御は、三菱電機「MELSEC iQ-R」シリーズのモーションユニットを実装したことで可能になった。位置、速度、力において繊細で高応答なモーション制御により、人の手首のような動きを再現している。三菱電機の産業用ロボット「MELFA RV-FR」シリーズを連携させれば、接触を伴う、より複雑で高度な作業ができる。
また、モーションリブの力触覚制御ICチップ「AbcCore」の通信モジュール「RT-TSN1」を用いて、AbcCoreとサーボアンプをフルデジタル接続しているため、ヘキサロボットと相似構造を持つヘキサ操作機でリアルハプティクスを適用した遠隔操作ができる。
産業用ロボットの普及が進む中、非定型な作業は依然として人に頼らざるを得なかった。4者は今後も共同研究を継続し、あらゆる作業を代替するロボットの開発に取り組んでいく。
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