日立ハイテクのマテリアルソリューション部は、「IPF Japan 2023(国際プラスチックフェア)【第10回】」で、キャッサバ(タピオカ)デンプン添加のバイオプラスチックや高品質リサイクルプラスチックおよび品質制御成形ソリューション、粉末積層造形(3Dプリンタ)用ポリブチレンテレフタレート(PBT)-リサイクルCF粉末を披露した。
日立ハイテクのマテリアルソリューション部は、「IPF Japan 2023(国際プラスチックフェア)【第10回】」(2023年11月28日〜12月2日、幕張メッセ)で、キャッサバ(タピオカ)デンプン添加のバイオプラスチックや高品質リサイクルプラスチックおよび品質制御成形ソリューション、粉末積層造形(3Dプリンタ)用ポリブチレンテレフタレート(PBT)-リサイクルCF粉末を披露した。
キャッサバデンプン添加のバイオプラスチックは、開発中の製品で、流動性と靭性に優れたタイプや食品衛生対応タイプなどをラインアップする。日立ハイテク マテリアルソリューション部の説明員は「キャッサバデンプン添加のバイオプラスチックは成形温度が230℃でも焦げず成形性が良好で、供給安定性も高い。加えて、流動性と靭性が高いタイプはヒンジ部品にも使える」と語った。
高品質リサイクルプラスチックは、センサー内蔵の金型を備えた成形機で成形されたリサイクルポリプロピレン(PP)、リサイクルアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)、リサイクルポリスチレン(PS)のうち、品質解析で高品質と判断され選定されたものを指す。「当社では品質検証済みの高品質リサイクルプラスチックの提供および品質分析に基づく選定支援に応じている」(同社の説明員)。
成形機の金型に内蔵されたセンサーは、樹脂圧力や金型温度、型開きなどの情報を取得し、これにより1ロットのリサイクルプラスチックの流動性特徴量を得られる。また、同社では製造AIの研究開発と販売を行うMAZINと共同で、リサイクルプラスチックの流動性特徴量をベースに成形条件をレコメンドし各ロットの成形品質のばらつきを補正する品質制御成形ソリューションの開発を進めている。
粉末積層造形用PBT-リサイクルCF粉末は、PBTタイプ、ガラスファイバー(GF)を含むPBT+GFタイプ、リサイクルカーボンファイバー(CF)を配合したPBT+リサイクルCFタイプから成る。これらは、3Dプリンタで成形できるため、金型レスの製造による少量多品種生産や在庫のデジタル化(データでの管理)を実現する。さらに、自動車部品の試作など、PBT成形品のラピッドプロトタイピング(迅速な試作品の製造)の適用範囲を拡大できる。なお、日立ハイテクでは粉末積層造形用の各種PBTと造形品の提供に対応している。
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