AGCは、使用済み太陽光パネルのカバーガラス約24tを、ガラス端材である原料カレットにリサイクルする実証試験に成功した。サーキュラーエコノミーと製造工程の温室効果ガス(GHG)の排出量削減を促進する。
AGCは2023年11月7日、使用済み太陽光パネルのカバーガラス約24トン(t)を、ガラス端材である原料カレットにリサイクルする実証試験に成功したと発表した。
試験は、同年10月19〜22日にわたり、AGC横浜テクニカルセンターの建築用型板ガラス製造窯で実施された。太陽光パネルのガラス回収は、三菱ケミカルグループである新菱の太陽光パネルリサイクル商業生産ラインの加熱処理技術を活用した。
この実験において、特殊な加熱処理を施すことで、太陽光パネルのカバーガラスが板ガラスに再利用できる原料カレットになることが分かった。これにより、産業廃棄物を減らし、珪砂やソーダ灰など天然資源由来原料の使用量も抑えられ、サーキュラーエコノミーの推進に貢献する。また、原料カレットの使用量が増加すれば、製造工程で排出される温室効果ガス(GHG)量の削減にもつながる。
太陽光パネルの耐用年数は20〜30年とされており、2030年代後半からは年間数十万tの廃棄が想定されている。特にカバーガラスは、太陽光パネル全体の重量の約60%を占めており、産業廃棄物として大量に埋め立て処分された場合、環境に大きな負荷がかかる懸念がある。
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