東芝テックは、「リテールテックJAPAN 2023」において、AGCと共同開発した特定の周波数の電波を吸収/遮蔽するガラスを用いた「RFIDウォークスルーゲート」を披露した。
東芝テックは、「リテールテックJAPAN 2023」(2023年2月28日〜3月3日、東京ビッグサイト)において、AGCと共同開発した特定の周波数の電波を吸収/遮蔽(しゃへい)するガラスを用いた「RFIDウォークスルーゲート」を披露した。
小売り店舗で購入する商品のバーコード読み取りに替えて利用が検討されているのがRFIDだ。既にアパレル業界では、商品タグにRFIDを組み込んでセルフレジにおける決済での利用が広がっている。
RFIDを用いたレジ自動化の次の段階として、購入する商品をカートに入れてウォークスルーゲートでRFIDの読み取りを行うことも検討されている。ただし、ここで問題になるのがRFIDの誤検知である。他のウォークスルーゲートを通過する商品や、搬入搬出などで移動中の商品などを読み取ってしまうと正確な決済が行えなくなる。
RFIDの誤検知防止だけを考慮すれば、ウォークスルーゲートを金属製の囲いで覆うなどの手法も考えられる。しかし、利用者にとって見通しが良いと言えず、外から見通しが悪いと防犯にも悪影響があり、店内の景観を損ねる可能性もある。
今回展示したRFIDウォークスルーゲートは、1GHz帯や2.4GHz帯などの電波を遮蔽するとともにRFIDに用いられる920MHz帯の電磁波を吸収するガラス「WAVETRAP AS」が用いられている。ガラスの厚さも7mmと薄く、可視光線透過率は55%で高い透視性を確保しているので、先述した金属製の覆いを用いるウォークスルーゲートの課題をクリアできる。「今回の展示をきっかけに小売店舗向けへの提案を強化したい」(東芝テック)という。
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