富士経済は、世界の半導体材料市場を調査し、その結果を「2023年半導体材料市場の現状と将来展望」として発表した。次世代通信やAI、クラウドサービス向けの半導体需要増により、2027年は2022年比で14.2%増と予測する。
富士経済は2023年10月11日、世界の半導体市場を調査し、その結果を「2023年半導体材料市場の現状と将来展望」として発表した。次世代通信やAI(人工知能)など向けの半導体需要の増加により、2027年は2022年比14.2%増と予測する。
2023年の半導体材料の世界市場は、2022年比9.4%減の465億ドル(約6兆9000億円)と見込む。半導体デバイスの需要減少により2022年後半から在庫調整に入ったことがマイナス成長の要因となった。2024年には在庫調整が終了し、次世代通信やAI、クラウドサービス向けの半導体需要の増加が見込まれ、2027年の同市場は、2022年比14.2%増の586億ドル(約8兆7000億円)に大幅伸長すると予測する。
工程別では、前工程材料は2023年が2022年比11.9%減、2027年が同13.7%増の見込み。今後は、成膜材料、エッチング材料、洗浄液などの需要増加が予想されている。後工程材料は2023年が同2.2%減、2027年が同15.7%増の見込みで、長期的には通信トラフィックの増加による世界的な半導体市場の拡大にリンクして需要が伸長していくと予測する。
注目市場には、フォトマスク、フォトレジスト、CMPスラリー、PFCエッチングガスがある。フォトマスクは、2023年が2022年比3.3%減、2027年が同13.1%増の見込み。2024年以降は、半導体デバイスメーカーの先端ラインで、微細化を目的に設備投資が積極的に進み、EUV向け需要が大きく拡大すると予測する。
フォトレジストは、2023年が2022年比8.7%減、2027年が同21.7%増の見込み。今後は、半導体デバイス市場の回復により、需要拡大が予想される。CMPスラリーは、2023年が同10.5%減、2027年が同21.1%増の見込み。ロジック半導体向けはレイヤー層の増加やトランジスタ構造の複雑化により、メモリ向けは研磨工程の増加などから需要が拡大する。PFCエッチングガスは、2023年が同11.1%減、2027年が同22.2%増の予測。3D-NANDの高層化需要の高まりなどから、今後は市場拡大が見込まれている。
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