富士キメラ総研が「2020 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望」を発表した。2020年の半導体デバイス世界市場は、前年比14.4%増の26兆678億円の見込みで、リモートワークやAIの普及などに伴い、2025年には43兆470億円になると予測する。
富士キメラ総研は2020年9月8日、半導体デバイスの世界市場を調査した「2020 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望」を発表した。
同調査は、半導体デバイス16品目のほか、半導体パッケージ4品目、半導体関連材料11品目、半導体製造関連装置5品目、副資材3品目、アプリケーション5品目を対象としている。
2020年の半導体デバイス16品目の世界市場は、前年比14.4%増の26兆678億円となる見込みだ。今後も、リモートワークの一般化、AI(人工知能)の普及などにより半導体デバイスの活用が進み、2025年には43兆470億円になると予測される。
2020年の市場規模が最も大きいDRAMは、前年比19.4%の8兆円と見込まれる。リモートワークの推進により、データ通信量が増加したことでデータセンターでのサーバ増強が進んでいること、1CPU当たりのDRAM搭載量が増加していることを背景に、DRAMは今後も成長が期待され、2025年の市場予測は13兆円だ。
また、5G通信の開始を契機にスマートフォンやスマートグラスでAR(拡張現実)の実装が進むとの期待から、AR技術に欠かせないToF(Time of Flight)センサー市場の拡大も見込まれる。同市場の2020年見込みは1055億円で、2025年は3143億円と予測する。
NAND型フラッシュメモリ市場の2020年見込みは6兆8000億円。同市場は今後、チップが高容量化し、積層型3D NANDの多層化と微細化が進むと想定される。スマートフォン市場の飽和につれてモバイル機器向けの需要は減少するが、データセンター向けは増加すると見られ、2025年予測は15兆5000億円となっている。
イメージセンサー市場の2020年見込みは1兆9680億円、2025年予測は2兆6460億円だ。スマートフォンのカメラの多眼化、ADASや自動運転車のカメラ搭載数増加に伴い、今後も技術開発が活発化し、画素数増加やセンサーサイズの拡大が進むとみられる。
自動車用SoCおよびFPGAは、新型コロナウイルス感染症の影響で2020年は2030億円(前年比12.2%減)と縮小するものの、今後、自動運転レベルが向上し、特にレベル3やレベル4対応車向けの搭載が増加すると見込まれることから、2025年は4659億円と予測される。
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