2023年9月にドイツの子会社DMG MORIがウクライナ政府から「戦争支援者」リストに追加された件にも触れた。
DMG森精機では、2022年2月24日にロシアがウクライナに本格侵攻後、同年3月3日にロシア国内の製造、販売拠点の営業停止を発表した。その時点であった約120台の受注残に関しては、ドイツ製と日本製の機械受注はキャンセルし、前払金(ロシアでは製品代金の全額に相当)を返金した。ロシア国外で製造され、2022年2月24日よりも前にロシアに持ち込まれた在庫機の18台は、ロシア国内にあるDMG MORIの拠点で安全に保管されているとした。
ただ、ロシア政府による訴追などを回避するため、侵攻前にロシアで作られた機械がDMG MORIに無断で納入されたという。ただ、いずれにしても日本とドイツの輸出管理管理に準じており、同社の調査では全て民生用途だったと判明した。「戦争支援企業には全く当たらず、(リスト入りは)非常に残念だ。戦時下の撤退や残務処理は初めての経験で、管理が徹底できなかったのが悔やまれる」(森氏)
2023年9月には倉敷機械の買収を発表した。倉敷機械は新潟県長岡市に本社を置く、国内市場シェアが40%の横中ぐりフライス盤メーカーだ。
「横中ぐり盤はグローバルで見ても数百億円の市場規模だ。倉敷機械はわれわれと一緒になることで、これまでの米州だけでなくアジアや欧州にも市場が広がる。また、主軸の高速化やわれわれの新しい操作盤などの採用によって商品の魅力も大きく高めることができる。われわれは製造だけではなくグローバルで直接販売、直接サービスを手掛けている。そういうインフラに乗っていただける工作機械メーカーが出てくれば、もろ手を挙げて歓迎したい」(森氏)
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