DMR森精機は2023年10月25日発表した2023年度第3四半期(2023年7月〜9月)の決算についてオンライン会見で説明した。
DMR森精機は2023年10月25日、オンラインで記者会見を開き、同日発表した2023年度第3四半期(2023年7月〜9月)の決算について説明した。
2023年7月〜9月の連結受注は前年同期比6.8%減の1237億円だった。ただ、第2四半期(4〜6月)の同13%減からは減少幅が縮小した。同年1月〜9月の連結受注の累計は前年同期比7.5%減の3995億円だった。一方で、受注単価は5950万円となり、2022年度平均4980万円から1000万円近く上昇した。
DMG森精機 代表取締役社長の森雅彦氏は「工程集約できる5軸加工機、複合加工機が非常に売れており、そこに自動化装置も加わっている。円安も寄与した」と語った。
2023年1月〜9月の売上高は前年同期比14%増の3802億円、営業利益は同33%増の356億円、営業利益率は9.4%だった。第4四半期だけでは、営業利益率は11.7%までの伸びを見込んでいるという。森氏は要因については「われわれが提唱するMX(マシニングトランスフォーメーション)、つまり同時5軸加工機、複合加工機による工程集約によって機械の稼働率を高めて、利益創出やGX(グリーントランスフォーメーション)に貢献するということを実感したユーザーによるリピートオーダーが回りだした」と話した。
2023年9月末時点の機械本体の受注残高は2800億円となり、前年同期の2740億円から増加した。
全体の事業環境は「これ以上は下がる感覚はない。底を打ちつつある」(森氏)と語った。日本の設備投資に関しては「下げ止まってきたが、元気がない」(同)と評し、欧州については「ドイツは日本に比べて強い設備投資が続いていたが、ここに来て弱い状況が出てきた。欧州全体では非常に力強い需要が続いている。さまざまな産業のリロケーションと航空産業の需要が復活してきた」と語った。中国市場は「大きな調整局面を迎えている。あまり回復の兆しは見られない」とした。
業種別ではメディカルも伸びており、森氏は「大手のインプラントへの投資がわれわれの複合加工機に集中している」と手応えを語った。EV(電気自動車)向けの受注が従来型の自動車や二輪を上回ったが、「工作機械業界から見たら、自動車に頼りすぎる時代は終わった」と話した。
国際金属加工見本市「EMO Hannover 2023」(2023年9月18〜23日、ハノーバー国際見本市場)で参考出品した新しい操作盤「ERGO line X」については、2024年以降の新機種に本格的に導入し、2026年からは全ての機種に採用するという。「Siemens、ファナック、HEIDENHAIN、いずれも全く同じ操作性が実現でき、強力なCPUとメモリによってコネクティビティとの親和性も非常に高い」(森氏)。
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