　新機種の正面加工用刃物台には、ガイドブッシュを取り囲むように構成した門型刃物台を採用。手前側には最大8本の旋削用バイトを装着でき、奥側には7軸型のクロスドリルユニットを装備する。クロスドリルユニットは5カ所がカートリッジ式ポジションになっており、加工部品の形状に応じて多彩な工具ユニットの装着ができる。

　上部に配置した穴あけ工具用のスリーブホルダーには4軸型と5軸型を用意し、穴あけ加工の用途に応じて選択できる。背面加工用の4軸型ユニットには工具回転駆動装置を標準で搭載し、正面と背面で最適な工程分割と同時加工ができ、サイクルタイム短縮に貢献する。

　オプション選択により、直径25.4mmまでの棒材加工に対応する。標準搭載のガイドブッシュ切り替え機構により、材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュ仕様にすることで、長い材料のたわみを抑制した高精度加工が可能だ。

　ナットのような短い部品の加工ではノンガイドブッシュ仕様に切り替えることで、廃棄残材を使って材料コストを削減するなど、加工部品の形状に応じた最適な仕様での加工ができる。

　オイルミスト冷却で正面刃物台回転工具ギアボックスの過度な発熱を抑制し、高精度かつ柔軟な熱変位補正などで加工品質の向上を図った。NC装置には、オペレーターの作業をサポートする各種便利機能を搭載。切削室ドアは開口部が広い跳ね上げ式を採用するなど、操作性と作業性の向上にも配慮している。

⇒その他の「工作機械」の記事はこちら

「FAニュース」バックナンバー

4タイプの刃物台仕様を提供、スター精密がスイス型自動旋盤を発売
スター精密は、4タイプの刃物台仕様から選択できる、スイス型自動旋盤「SD-26」を発表した。剛性や加工精度を高める機構や、扱いやすく多様な加工ニーズに柔軟に対応する機能を搭載する。
スイス型自動旋盤の大径部品加工用シリーズ最新モデル、2タイプを用意
スター精密は、2021年8月にスイス型自動旋盤「SR」シリーズの「SR-32J III」を発売する。背面加工用に6軸型ユニット搭載の直線制御軸5軸「type A」、Y2軸制御付き8軸型ユニット搭載の直線制御軸6軸「type B」を用意する。
工作機械の稼働を可視化する監視アプリケーション、複数機械をまとめて把握
スター精密は、工作機械専用の機械稼働監視アプリケーション「SMOOSS-i」を発売した。複数の機械の稼働状態をリアルタイムで監視でき、データを表やグラフで可視化することで、機械稼働率の向上に貢献する。
進む製造機械の「知能化」、学習済みAIを搭載する動きが拡大へ
AI（人工知能）の活用が広がりを見せている。こうした中で、新たな動きとして定着が進んでいるのが、工作機械や射出成形機など、製造機械へのAI機能の組み込みである。2022年はこうした動きがさらに加速し、AIの学習までを機械メーカーが担って出荷する動きが進む見込みだ。
進む産業機械のスマートフォン化、標準化とオープン化がカギに
スマート工場化が進む中、工場内の生産機械や設備にも生産情報や設備情報などを活用するために「つながる」ことが求められるようになってきている。こうした環境に合わせる形で、生産機械についても協調領域については「水平分業型」へのシフトが加速する見込みである。
工作機械の共通インタフェース「umati」とは何か？
工作機械のスマート化に向けて注目されている通信規格が「umati」である。本連載では「umati」とはどういう規格なのか、技術的にはどういう背景があるのか、どのような活用シーンがあるのかについて、紹介する。第1回となる今回は「umati」とは何かをテーマに概要を取り上げる。