ポテトもひじきも盛り付けロボが目安の重さに自動調整、AIで食材のはみ出しも検査惣菜・デリカJAPAN

コネクテッドロボティクスは「惣菜・デリカJAPAN」において、総菜盛り付けロボット「Delibot」などの実演を行った。

» 2023年09月25日 08時30分 公開
[長沢正博MONOist]

 コネクテッドロボティクスは「惣菜・デリカJAPAN」(2023年9月20〜22日、東京ビッグサイト)において、総菜盛り付けロボット「Delibot」の実演を行った。

総菜盛り付けロボット「Delibot」の外観[クリックで拡大]

 総菜製造において、さまざまな種類の不定形な食材を、一定の分量で効率よく盛り付ける工程は難易度が高いため人手に頼らざるを得ず、これまで自動化が難しい領域だった。ただ、作業者の高齢化が進んでいる上、各業界の人手不足で新たな採用もなかなか進まない。

 コネクテッドロボティクスでは、そういった盛り付け工程を自動化するため、エプソンのスカラロボットと専用ハンドを活用した総菜盛り付けロボット「Delibot」を開発した。

 1人分のスペースで2台を稼働させることができ、2セット4台なら1時間に850食分の盛り付けが可能となっている。自動供給機からコンベヤーで流れてきたトレーを所定の位置に固定し、専用の番重からハンドで食材をつかんで盛り付ける。つかむ重量は事前に設定できる。ハンド部分にはセンサーがあり、重過ぎたり軽過ぎたりした場合は、食材をつかむ深さを変えてやり直す。

会場で披露したDelibotのデモンストレーション[クリックで再生]

 食材変更があった際に便利なのが自動調節パラメーター機能だ。どれくらいの深さまでハンドを伸ばせば、設定された重量を食材をつかめるかを試し取りしながらロボット側で自動調整できる。そうやって1度登録すれば、以降はそのメニューを選ぶだけだ。ハンドでつかみ切れない量まで番重の食材が減った際には、作業者に知らせることも可能だ。

 ハンドや番重の交換など段取り替えが容易となっている。1台のロボットのハンドを交換中で、もう1台のロボットは稼働できるため、生産性への影響も最小限にとどまる。

 AI(人工知能)検査ソフトウェアのデモンストレーションも行った。トレー盛り付け後に食材がはみ出していないかなど、これまで目視確認で行っていた検査を自動化できる。食に特化したAIアルゴリズムを搭載しており、会場ではポテトサラダと白色のトレーなど通常は判別が難しい同系色でも、質感や色を見分けて良品、不良品の判定を行った。

食材が正しく盛り付けられたポテトサラダ(左)と判定結果(右)[クリックで拡大]
食材が乗り上げているポテトサラダ(左)と判定結果(右)[クリックで拡大]

⇒その他の「FAニュース」の記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.