2023年12月期通期業績予想は同年3月にレゾナック・ホールディングスが公表したものを修正した。新たな2023年12月期通期業績予想では通期売上高を前年同期比9%減の1兆2700億円に下方修正している他、営業外損益や経常利益、特別損益、当期純利益などを上方修正した。なお、営業利益の通期予想は据え置いている。
このように厳しい状況を打開するために、モビリティ事業、HDメディア事業で構造改革を進めているだけでなく、全社横断で赤字製品の撲滅を行っているという。
構造改革の骨子と位置付けているモビリティ事業では、事業本部に設けた事業改革推進室が、選択と集中を通じた収益改善を目的に、事業の仕分けを実施し、各事業のポートフォリオ上の位置付けを明確化した。明確化した各事業の位置付けに基づきリソースの配分や事業運営を進めていくという。
加えて、固定費削減と資産スリム化のために、樹脂成形品を扱う関西拠点の統廃合を実施する。具体的には、関西にある3拠点のうち1拠点を営業停止して、樹脂の成形部品とユニット部品を同じ拠点で作れるようにするという。なお、海外製造拠点についても同様の施策を検討している。
さらに、赤字品目のうち重点47品目を選定し、2024年からの収益改善を目指し、該当品目の値上げあるいは撤退交渉を2023年中にユーザーに行うという。染宮氏は「モビリティ事業では、内燃機関車向けの部品や一部のOEMメーカーに販売している樹脂成形品、ブレーキパッド、粉末冶金などの製品で赤字製品があるため、これらの製品の中から47品目に絞り、該当品目の値上げあるいは撤退交渉をユーザーに行い、モビリティ事業の利益率改善を図る」とコメントした。
HDメディア事業では、2023年内に生産規模を2割縮小するだけでなく、さらなる需要下振れを見据えた追加施策を検討している。加えて、同年上期に約40億個の在庫処分を行い、滞留懸念在庫を一掃する。
全社横断で行っている赤字製品の撲滅では、国内取引を中心にリストアップした、不採算の「製品×顧客組み合わせ」に対する収益改善を実施している。モビリティ事業、HDメディア事業、石油化学事業を除くリスト品目のうち28%が値上げ/撤退などに取り組み中(そのうち79%が2023年12月末までに完了予定)で、全体のうち52%は収益改善施策を完了しているという。
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