ソースネクストが高齢者見守りサービス参入、ミリ波レーダーで非接触モニタリング組み込み開発ニュース(2/2 ページ)

» 2023年08月03日 08時30分 公開
[朴尚洙MONOist]
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「ポケトーク」の部品調達や工場ライン改善のノウハウを生かす

 専用アプリでは、見守り対象者の睡眠中における呼吸数と心拍数の他、朝起きてベッドや布団から出たか、床に就いたかなどの情報を確認できる。これらの情報は、1日前、2日前との比較も簡単にできるようになっている。加齢によって睡眠習慣が変化することが知られており、基準となる睡眠習慣をAI(人工知能)で学習した上で、体調の異変の予兆となり得る睡眠リズムの変化を知らせる機能も備えている。

「POM」の専用アプリの画面例「POM」の専用アプリの画面例 「POM」の専用アプリの画面例[クリックで拡大] 出所:ソースネクスト

 なお、現時点では一人暮らしの高齢者向けとなっているように、高齢者夫婦など同室にいる2人以上の見守り対象者それぞれのバイタルデータを取得することはできない。このため、高齢者夫婦の非接触モニタリングへの対応は今後の新製品開発における大きなテーマになりそうだ。

 Tellusは既に日本国内で、病院や介護施設といったB2B向けの事業展開をスタートさせており、今回のソースネクストとの協業によってB2C向け事業に初めて乗り出すことになる。Tellus CEOのタニア・A・コーク氏は「65歳以上の高齢者が人口の30%を占めるなど、日本市場ではPOMのような高齢者見守りサービスのデバイスが求められてると考えた。また、メモアプリのEvernoteのようなスタートアップの製品やサービスの日本での拡販で実績のあるソースネクストと協業できることは心強い」と語る。

Tellusは既に国内向けでB2B事業をスタートさせている Tellusは既に国内向けでB2B事業をスタートさせている[クリックで拡大] 出所:ソースネクスト

 ソースネクスト 代表取締役社長 兼 COOの小嶋智彰氏は「高齢化が進む中で在宅高齢者を見守るニーズは高まっているが、既存のカメラ型やセンサー型、通報ボタン型のサービスには幾つか課題があった。POMは、Tellusが持つミリ波レーダーとAIの技術によってそれらの課題を解決できる。価格設定も、競合サービスを調査した上で、競争力のあるものとした」と意気込む。なお、ソースネクストは、顧客の要望や市場ニーズをTellusに届けて新機能開発を進められるようにする他、同社が開発/販売する「ポケトーク」などの量産で得た部品調達や工場ライン改善のノウハウなどをPOMに適用し、供給の安定化などにつなげたい考えだ。

ソースネクストとTellusの協業ロードマップ ソースネクストとTellusの協業ロードマップ[クリックで拡大] 出所:ソースネクスト

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