レノボ・ジャパンは、企業向けハイエンドVRデバイス「ThinkReality VRX」を発表した。デバイス前面に2つのRGBカメラを搭載し、ステレオフルカラーパススルー技術で裸眼に近い遠近感が得られる他、ARとMRにも対応する。
レノボ・ジャパンは2023年6月27日、企業向けスタンドアロン型ハイエンドVR(仮想現実)デバイス「ThinkReality VRX」を発表した。価格は20万9000円(税込み)で、同年8月1日から販売する。
ThinkReality VRXは、メタバース空間上で臨場感のある体験を提供し、場所や時間の制約を受けることなく、ミーティングや業務トレーニング、デジタルツインモデルを用いたシミュレーションなどを実施できる。製造や運輸、建築業といった現場作業を伴う業種の他、情報を伝達する不動産、ヘルスケア、教育分野などでの活用を想定する。
デバイス前面に搭載した2つのRGBカメラが捉えた映像をグラス内で表示し、仮想の3D空間やオブジェクトを現実空間に重ねることで、AR(拡張現実)やMR(複合現実)にも対応する。
2つのカメラによるステレオフルカラーパススルー技術は、単眼カメラでのパススルーよりも視界の歪みが少なく、裸眼に近い遠近感が得られ、安全でよりリアルな体験を提供する。また、VR利用時の安全面に配慮しており、右目付近のハードウェアボタンでVRと外部カメラ映像を切り替えられる。
「Qualcomm Snapdragon XR2+ Gen1」プロセッサと12GBのメモリ、128GBのストレージを搭載する。片眼2280×2280ピクセルの高解像度薄型パンケーキレンズを採用しており、視野角が95度、リフレッシュレートが90Hzとなる。インサイドアウト型トラッキングで6DoFに対応し、6900mAhバッテリーはUSB Type-Cケーブルで充電できる。
本体サイズは114×203×280〜330mm、重さは800g。左右のハンドコントローラーで基本操作ができ、今後、ハンドトラッキングへの対応も予定する。
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