Formlabsは「日本ものづくりワールド 2023」内の「第6回 次世代3Dプリンタ展」に出展し、SLA方式3Dプリンタ「Form 3シリーズ」を低コストで自動化できる専用装置や難燃性の新材料をアピールした。
Formlabsは「日本ものづくりワールド 2023」(2023年6月21〜23日、東京ビッグサイト)内の「第6回 次世代3Dプリンタ展(AM Japan)」に出展し、デスクトップ型光造形(SLA)方式3Dプリンタ「Form 3シリーズ」を低コストで自動化できる専用装置「Form Auto」や、新たに発表した難燃性レジン「Flame Retardant」などを訴求していた。
Form Autoは、同社の「Form 3」「Form 3+」「Form 3B」「Form 3B+」に対応する後付けタイプの自動化装置で、3Dプリント完了後にビルドプラットフォーム(Build Platform 2)から自動で造形品を取り外し、すぐに次のプリントジョブを実行できる。従来のように人手を介してビルドプラットフォームから造形品を取り外す必要がないため、生産効率の向上や省力化が見込める。Form 3シリーズと組み合わせた場合の外形寸法は609.6×914.4×914.4mmで、重量は50.12kgとなる。
また、同社の専用ソフトウェア「PreForm」と一元管理用の「Dashboard」上で使用できるアドオン機能「Fleet Control」によって、プリントジョブの一元管理やセットされた材料に応じたプリンタの自動割り当てなどが可能だ。これにより、複数台のForm 3シリーズを同時並行で効率的に運用管理できるようになる。その他にも、同社は自動化ソリューションとして、大容量レジンバッグと専用レジンポンプを組み合わせた「High Volume Resin System」も用意しており、レジンの自動供給によりカートリッジの交換頻度を大幅に低減できるという。
「Form Autoは24時間常時稼働を行いたいというニーズに応えるものだ。これまでだと3Dプリント完了後のタイミングで人が手作業で造形品を取り外す必要があったが、Form Autoであれば1回のジョブごとに人が立ち会う必要もなく、プリントジョブを次々と実行できる。特に、歯科矯正で使用されるマウスピースの製造現場からの引き合いが多い。患者一人一人で型が異なり、治療の進み具合によって何パターンもマウスピースを用意しなければならないため、自動化が欠かせないと聞いている」(説明員)
さらに、SLA用レジンの新材料であるFlame Retardantについても訴求していた。Flame Retardantは、UL94規格に基づく難燃グレードV-0認証取得済みで、航空宇宙、自動車、鉄道、電子機器、医療機器などの製造に求められる厳格な難燃性要求に応える最終製品での使用を想定した高機能材料だ。
「樹脂材料は基本的に石油由来であるため難燃性をもたせることが難しいとされており、一般的な既存の難燃性光造形用材料ではオペレーションが難しかったり、造形後に割れてしまったりなど課題があった。これに対し、Flame Retardantは精度と表面品質、耐熱性に優れ、十分な強度も備えている」(説明員)という。
展示ブースでは、Flame Retardantを用いた造形サンプルとして、難燃性コネクターや難燃性バッテリー筐体を展示していた。
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