OKI電線は、高温、高圧蒸気環境の厳しい条件で使用できるフレキシブル基板「耐環境FPC」の新商品2種「耐高熱FPC」「耐高圧蒸気FPC」を発表した。200℃の高温環境や、高圧蒸気による滅菌処理が必要な機器で使用できる。
OKI電線は2023年5月29日、高温、高圧蒸気環境の厳しい条件で使用できるフレキシブル基板(FPC)「耐環境FPC」の新商品2種「耐高熱FPC」「耐高圧蒸気FPC」を発表した。同年6月からグローバルで発売する。
耐高熱FPCは、同社独自の表面処理を銅箔に施し、絶縁層との密着性を高めている。耐高圧蒸気FPCは、独自の表面処理に加え、絶縁層にシリコーン系樹脂を採用し、耐高圧蒸気性が向上した。
これにより、耐高熱FPCは200℃×1000時間の高温処理後でも、耐高圧蒸気FPCは132℃、0.2MPa、15分×250回の高圧蒸気処理後でも絶縁層の密着性を維持する。また、同じ処理条件での電気特性(絶縁抵抗)は、耐高熱FPCが1.0×107MΩ、耐高圧蒸気FPCは1.1×106MΩで(判定基準はどちらも≧500MΩ)、電子回路基板規格「JPCA-UB01」を満たしている。
従来のFPCは、80℃以上の高温や、そこに湿度が加わる高圧蒸気環境下では、絶縁層の剥離不良が発生し、用途や機器によっては採用できないことがあった。新製品は、これまでのFPCが使用環境の制約から採用できなかった用途や機器に対しても、FPCの特徴を生かした配線が可能になる。
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