独自の表面処理などで高温環境や高圧蒸気環境に対応するフレキシブル基板の新商品FAニュース

OKI電線は、高温、高圧蒸気環境の厳しい条件で使用できるフレキシブル基板「耐環境FPC」の新商品2種「耐高熱FPC」「耐高圧蒸気FPC」を発表した。200℃の高温環境や、高圧蒸気による滅菌処理が必要な機器で使用できる。

» 2023年06月13日 11時00分 公開
[MONOist]

 OKI電線は2023年5月29日、高温、高圧蒸気環境の厳しい条件で使用できるフレキシブル基板(FPC)「耐環境FPC」の新商品2種「耐高熱FPC」「耐高圧蒸気FPC」を発表した。同年6月からグローバルで発売する。

キャプション 左:「耐高圧蒸気FPC」、右:「耐高熱FPC」 出所:OKI電線

 耐高熱FPCは、同社独自の表面処理を銅箔に施し、絶縁層との密着性を高めている。耐高圧蒸気FPCは、独自の表面処理に加え、絶縁層にシリコーン系樹脂を採用し、耐高圧蒸気性が向上した。

 これにより、耐高熱FPCは200℃×1000時間の高温処理後でも、耐高圧蒸気FPCは132℃、0.2MPa、15分×250回の高圧蒸気処理後でも絶縁層の密着性を維持する。また、同じ処理条件での電気特性(絶縁抵抗)は、耐高熱FPCが1.0×107MΩ、耐高圧蒸気FPCは1.1×106MΩで(判定基準はどちらも≧500MΩ)、電子回路基板規格「JPCA-UB01」を満たしている。

キャプション 絶縁層密着性(ソルダレジストおよびシンボルマークの塗膜付着性:JPCA-UB01) 出所:OKI電線

 従来のFPCは、80℃以上の高温や、そこに湿度が加わる高圧蒸気環境下では、絶縁層の剥離不良が発生し、用途や機器によっては採用できないことがあった。新製品は、これまでのFPCが使用環境の制約から採用できなかった用途や機器に対しても、FPCの特徴を生かした配線が可能になる。

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