創業2年の商用EVベンチャーが“Appleのような”ファブレス生産を実現できた理由 : 電動化 (4/4 ページ)
補助安全装置は、カメラ(イメージセンサー)、ミリ波レーダー、レーザー測距装置(LiDAR)などで、障害物を検知し、衝突しそうな走行中の自動車の減速や停止、アラートの発報を促し事故を未然に防ぐのに役立っている。イメージセンサーは日中など明るい環境で障害物を認識する際に有効だが、トンネルから出る時などの照度が急激に変わる瞬間や夜間に対象を認識するのは苦手だという。
ミリ波レーダーは、イメージセンサーで認識できない対象を可視化するイメージングが行えるだけでなく、高精度に測定してその動きや状態を検知したりするセンシングにも使えるという。柏尾氏は「高級車を除き、電動化した自動車ではカメラとレーダーを組み合わせて補助安全装置として活用するパターンが多い」と述べた。レーザー測距装置は、対象範囲にある障害物の点群をスキャニングすることで検知し、自動運転でも活用されているが、高額なため高級車に使用されることが多い。
「MIRAI(第2世代)」にも搭載されているレーザー測距装置[クリックで拡大] 出所:フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ
柏尾氏は「無線通信用の装置は、カーナビゲーションにおける自動車の自己位置合わせに使用されることが大半だが、今後は自動運転システムにも活用されることが想定されるため需要は拡大するだろう」と強調した。
また、地政学上の問題が環境政策を左右するため、EV普及に最も積極的だったドイツがウクライナ戦争に端を発するエネルギー危機により、ハイブリッド車の活用を推進していることにも言及した。
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