創業2年の商用EVベンチャーが“Appleのような”ファブレス生産を実現できた理由電動化(3/4 ページ)

» 2023年06月02日 10時30分 公開
[遠藤和宏MONOist]

テスラ製のEVのメインコンピュータはAI領域を大きく設置

フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ 代表の柏尾南壮氏

 「自動車:電子部品最後のフロンティア」では、フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ 代表の柏尾南壮氏が、自動車産業界の動向や電動化で重要な車載電子部品であるメインコンピュータ(集積回路)、補助安全装置(ADAS)、無線通信用の装置について紹介した。

 現在、普通乗用車の世界生産数は年間1億台の規模があり、自動車グレード半導体の市場規模は5兆円で半導体市場の10%を占めている。普通乗用車が搭載する電子部品の平均値は1台当たり1万5000点で、1台のノートPCが備えている電子部品の約5倍となる。

 また、さまざまな自動車メーカーが自動車の自動運転の実現を目指し要素技術の開発を進めている。自動運転の指標としては米国の自動車技術会(SAE)が示しているレベル0〜5の基準が世界的に受け入れられている。レベル0は自動化なしで、レベル1は運転者が設定した速度を自動で保つクルーズ制御、レベル2は前方衝突軽減、レベル3は全周衝突軽減、レベル4は有人を想定した自動運転のハード完成、レベル5は無人運転の実現だ。2023年の現時点では国内外でレベル2とレベル3の自動車が発売されているという。

 柏尾氏は「現状、メインコンピュータは、車種名と同じ数だけ種類があり、それぞれが独特の特徴を持つ」と話す。例えば、米国Tesla(テスラ)製のEV「Tesla MODEL 3」のメインコンピュータはAI(人工知能)の領域を大きく設けているのが特徴で、ドライバーの運転の癖を覚え、快適に走行できるようにアシストする。ドイツのフォルクスワーゲン製EV「ID.3」のメインコンピュータ「ICAS1」は、搭載している電子部品を少なくすることで故障しにくくしている。

 トヨタ自動車製の燃料電池車(FCV)「MIRAI」第2世代モデルのメインコンピュータは、2つのチップレートを備えており、片方が故障してもメインコンピュータが機能するようにしており、安全性が高いという。

「Tesla MODEL 3」のメインコンピュータ[クリックで拡大] 出所:フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ
ドイツのフォルクスワーゲン製EV「ID.3」のメインコンピュータ「ICAS1」[クリックで拡大] 出所:フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ
トヨタ自動車製のFCV「MIRAI(第2世代)」のメインコンピュータ[クリックで拡大] 出所:フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.