旭化成は、産業用3Dプリンティングソフトウェアを手掛ける、イスラエルのCastor Technologiesへの出資に参画する。両社の技術を組み合わせ、高度なシミュレーションの自動化を進める。
旭化成は2023年5月16日、産業用3Dプリンティングソフトウェアを手掛けるイスラエルのCastor Technologies(CASTOR)への出資に参画することを発表した。旭化成の樹脂CAE技術とCASTORが提供するソフトウェアを組み合わせ、高度なシミュレーションの自動化を進める。
旭化成はエンジニアリングプラスチック製品などを対象に精緻な樹脂CAE技術サービスを提供している。今後、ユーザーの時間軸で適切に要望へ対応するため、CASTORの部品成立性と製造コストのシミュレーションに着目した。CASTORのサービスやソフトウェアは、旭化成の樹脂CAE技術サービスの前工程で役立つため、これらを掛け合わせることで、より高度なシミュレーションを自動化できる可能性があるとしている。
CASTORが独自に開発した高度なアルゴリズムは、部品表(BOM)やCAD図面から3Dプリンティングに適した部品を自動的に特定し、最適な形状への修正提案などを提供する。また、解析した対象部品の製造リードタイムやコスト、CO2排出量も算出可能で、製造プロセスの最適化にも寄与する。
旭化成は今回の出資を通じて、CASTORが有する技術への理解を深め、サービス拡張に向けたPoC(概念実証)を進めていく。
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