これらの主要事業の成長に加え、新規事業の創出にも取り組む。既に進行中のプロジェクトもあるが、1プロジェクト当たりの将来売上高1000億円を目指し、事業化と事業強化を進めていく。
具体的には、照度と輝度、安全性を兼ね備えた独自のレーザーライト技術による「高効率GaNレーザー」や、ウオーターフリーを実現する独自のプリントヘッド技術とインク技術を生かした「デジタル捺染システム」、AI(人工知能)制御技術と豊富な製造用学習データを組み合わせた「協働ロボット」、ITS無線路側機と遠赤外線カメラ技術を組み合わせた「路車協調システム」などの事業化に取り組んでいるという。
環境への取り組みも強化する。2020年3月からTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同し、地球温暖化対策についての情報開示を推進。2050年度までの実質的カーボンニュートラルを目指し、2030年度までに温室効果ガス排出量をスコープ1〜3の全領域において2019年度比で46%削減する。同様に2030年度までに再生可能エネルギーの導入量は2013年度比で20倍とする目標を掲げている。
これらを実現するための設備投資総額は3年間で「飛び抜けて過去最高」(谷本氏)の1兆2000億円規模になる見込みだ。「例えば、半導体市場が生まれてから60年くらいの期間をかけて現在の約50兆円といわれる市場規模になった。それがわずか8年間で2倍の100兆円規模になるといわれている。これまでの成長スピードでは明らかに足りない変化がこれから訪れることになる。こうしたスピードで成長の機会をつかむためには過去にやったことがない規模での投資を行う必要があると考えた。継続的に積極投資を進めていく」と谷本氏は投資についての考えを述べている。
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