トヨタ自動車は2023年3月期通期の決算を発表した。
トヨタ自動車は2023年5月10日、2023年3月期通期(2022年度)の決算を発表した。
営業収益(売上高)が前年度比18.4%増の37兆1542億円、営業利益が同9.0%減の2兆7250億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同14.0%減の2兆4513億円だった。資材高騰などの影響が大きく、営業利益は前年度から減少した。
半導体不足や災害、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で生産計画が大きく変動したが、生産台数は同6.5%増の913万台に増加。販売台数は全地域で増加した。トヨタ自動車 社長の佐藤恒治氏は「生産計画に対して柔軟に対応した仕入先、モノづくりに携わる社内のメンバー、ユーザーの意向に対して柔軟に対応した販売店、さまざまな努力が1つにつながった結果だ」と述べた。
連結販売台数は前年度比7.2%増の882.2万台。地域別にみると、日本が同7.5%増の206.9万台、北米が同0.5%増の240.7万台、欧州が同1.3%増の103万台、アジアが同13.5%増の175.1万台、中南米/オセアニア/アフリカ/中東などが同15.8%増の156.5万台だった。
中国事業はトヨタ・レクサスブランドの販売台数が前年度比2.0%減の187.6万台で微減となったが、シェアは伸びたという。EVだけでなく、HEVやPHEVも含めて引き合いがあるとしている。今後は現地開発を推進し、中国で先進性の評価対象となるインフォテインメントシステムやコックピットに力を入れる。中国のニーズに合わせた製品をタイムリーに投入していく考えだ。
為替やスワップなどの影響を除いた2022年度の営業利益は前年度から1兆1350億円のマイナスだった。原価改善で2550億円、営業面の努力では6800億円のプラス要因を生み出したものの、資材高騰で1兆5450億円、労務費や研究開発費など諸経費の増加が5250億円のマイナス要因となった。資材高騰には、サプライチェーン全体の体質強化に向けた活動として5000億円が含まれている。
この他、為替レートが円安で推移した影響で1兆2800億円のプラス、スワップなどの評価損やロシアの生産終了に伴う費用などその他の項目で4156億円のマイナスとなり、営業利益としては前年度から2706億円減だった。
地域別の営業利益は、日本では為替変動の影響が資材高騰を吸収して前年度から4770億円増の1兆9025億円、北米が資材などの生産コスト高騰で同4578億円減の746億円、欧州は資材高騰やロシア生産終了の費用で同1150億円減の566億円、アジアは為替変動の影響と販売台数の増加で同557億円増の7128億円となった。
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