IDC Japanは、2022年の国内市場におけるAR(拡張現実)/VR(仮想現実)ヘッドセットの出荷台数を発表した。
IDC Japanは2023年3月13日、2022年の国内市場におけるAR(拡張現実)/VR(仮想現実)ヘッドセットの出荷台数を発表した。
IDCが発行する「IDC Quarterly Augmented and Virtual Reality Headset Tracker」のデータによると、2022年通年の国内市場におけるAR/VRヘッドセットの出荷台数は、前年比3.3%増の34万台となった。
ARヘッドセットに関しては、前年比102.7%増の4万台と大きく伸ばした。これまでは法人向けが中心だったが、新たに「Nreal Air」や「Rokid Air」などのコンシューマー向けARグラスの出荷台数がけん引し、前年比大幅増を記録した。
一方で、法人向けARヘッドセットの出荷台数は減退傾向にあり、製造業や建設業などの一部の先進的な企業が遠隔作業支援業務で利用しているにとどまり、同業種への水平展開や他業種への展開は鈍い。また、ARコンテンツや関連サービスに対するニーズは増加しているが、企業向けとしてはスマートフォンやタブレット端末でARを活用するケースに偏っており、必ずしもARヘッドセットが必要とされているわけではないという。
VRヘッドセットは前年比1.6%増の30万台で、インフレや円安の影響などで消費者の買い控えが生じた。2023年はソニーの「PlayStation VR2」が発売され、その後もMetaの「Meta Quest 3」の発売も予定されており、VRヘッドセット市場は大きく成長する見通しだとする。
今回の発表を受け、IDC Japan Consumer Devices マーケットアナリストの井辺将史氏は「2022年は『メタバース』という言葉が流行したことで、XR(AR/VR/MR)技術に注目が集まったが、AR/VRヘッドセット市場にはほとんど影響がなかった。2023年以降もゲームやモニターなどのコンシューマーユースでの利用が中心になると思われる。ただ、多くの企業においてトレーニングやXR技術を使った顧客体験の創造などが行われており、中長期ではさまざまな用途での活用が見込まれる」とコメントする。
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