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» 2023年03月02日 10時30分 公開

「分散型モノづくり」を実現するプラットフォーム、未来はAIが3Dプリンタの状態を分析3Dプリンタニュース(2/2 ページ)

[遠藤和宏MONOist]
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シミュレーション機能で、パーツの造形、試験、再造形の反復サイクルを削減

 2022年11月にリリースされたシミュレーション機能はメイン機能として「CAEシミュレーション機能」を搭載している。CAEシミュレーション機能は「検証」と「最適化」の2機能で構成される。

 検証では造形するパーツの強度と剛性のシミュレーションが行える。最適化では、自動的にプリントパラメーターを設定し、3Dプリンタで高いパフォーマンスを達成しつつ、造形時間の短縮と素材使用量の軽減を実現する。これにより、実造形でパラメーターを確認する作業を減らせ、仕様通りのパーツを作りやすい。

 「CAEシミュレーション機能を利用しているユーザーの90%は、パーツの造形、試験、再造形の反復サイクルを削減した。全体の50%は、造形時間の短縮と素材の節約を達成しているだけでなく、パーツの造形スピード効率を改善している」(タグ氏)。

 CAEシミュレーション機能を使用することで、長繊維カーボンファイバーを付加して3Dプリントした場合のパーツの強度と剛性の予測も可能になったという。なお、この機能は2023年4月までは無料で使用可能だが、それ以降は有償サブスクリプションとして提供される予定だ。

「Eiger」の「CAEシミュレーション機能」は設計と金属粉末の用意で貢献[クリックで拡大] 出典:マークフォージド・ジャパン

造形中にリアルタイムに位置や寸法を測定可能

 インスペクション機能は、「Configure(コンフィガー)」「Scan(スキャン)」「Inspect(インスぺクト)」「Report(レポート)」から成る。Configureでは3Dスキャンの解像度を定義し、Scanでは3Dプリンタのプリントヘッドに搭載されているレーザーマイクバロメーターにより、造形中にリアルタイムに位置や寸法、外部と内部の形状を測れる。

 InspectではスキャンデータとCADデータの形状フィーチャーを比べられ、Reportではカスタマイズに対応したスキャン検査報告書をダウンロードできる。

「Eiger」の「インスペクション機能」で造形と測定検査を効率化[クリックで拡大] 出典:マークフォージド・ジャパン

複数台の3Dプリンタから取得したデータをAIで分析

 同社では、3DプリンタのユーザーがAPIを介して、ERP(企業資源計画)に加えて、MES(製造実行システム)、PLM(製品ライフサイクル管理)などの製造ITシステムとEigerを接続/連携/統合して、さまざまな場所で工業部品を製造できるようにすることを推奨している。

 これにより、Eigerに入力した情報をERPやMES、PLMに反映でき、在庫管理と製品ライフサイクルで必要なインプット作業を効率的に行える。同社ではこういった生産体制を「分散型モノづくり」と呼称している。

「分散型モノづくり」のイメージ[クリックで拡大] 出典:マークフォージド・ジャパン

 タグ氏は、「今後は、ネットワークでつなげた複数台の3Dプリンタから取得したデータをAI(人工知能)で分析し、3Dプリンタの状態を把握する。これにより、能動的な保守と点検をサポートしていく。また、3Dプリンタが、造形中にミスを感知した際に、指定のメールアドレスにアラートを送信する仕組みの実装も予定している」と展望を語った。

 同社のセキュリティに関しては、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格「ISO27001認証」を取得している。米国の軍需運用システムのセキュリティガイドラインが想定している防衛環境に対応するOS(オペレーティングシステム)を採用し、第三者機関によるコンプライアンスの検査と監査も定期的に実施しているという。

会場では同社の3Dプリンタ「Metal X」で造形した金属部品も展示[クリックで拡大]

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