マークフォージド・ジャパンは「日本ものづくりワールド 2022」内の「第4回 次世代3Dプリンタ展」に出展し、最新の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)対応の大型工業用3Dプリンタ「FX20」を訴求。同社独自の連続カーボンファイバー強化プロセスと、FX20で使用可能な高耐熱樹脂「ULTEM 9085」を組み合わせることで、アルミニウム合金と同等レベルの強度と軽さを実現するCFRPパーツを造形できる点をアピールした。
Markforgedの日本法人であるマークフォージド・ジャパンは「日本ものづくりワールド 2022」(リアル展、東京ビッグサイト、2022年3月16〜18日)内の「第4回 次世代3Dプリンタ展」に出展し、最新の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)対応の大型工業用3Dプリンタ「FX20」を訴求。同社独自の連続カーボンファイバー強化プロセスと、FX20で使用可能な高耐熱樹脂「ULTEM 9085」を組み合わせることで、アルミニウム合金と同等レベルの強度と軽さを実現するCFRPパーツを造形できる点をアピールしていた。
展示会場ではFX20のモックアップを展示するとともに、FX20で出力した造形サンプルも披露した。
プロダクションシリーズとして位置付けられているFX20は、デスクトップシリーズの「Onyx One」「Onyx Pro」「Mark Two」、インダストリアルシリーズの「X3」「X5」「X7」などの既存製品ラインアップの最上位機種で、高精度、高品質、高速造形を実現するとともに、高耐熱樹脂であるULTEM 9085に対応する唯一の装置となる。
FX20の最大造形サイズは525×400×400mmで、積層ピッチ(Z解像度)は50〜250μm。造形スピードは、既存の同社製品と比較して最大4倍の高速化を実現しているという。
また、樹脂/連続ファイバー強化フィラメントの材料切れ検知や自動ベッドレベリング(Z軸の高さ調整)などのアドバンス機能をフルで備える他、高精度アルミバキュームベッド、200℃まで加熱可能なビルドチャンバー、フィラメント格納用の湿度制御チャンバーなども搭載する。本体サイズは1325×900×1925mmで、重量は530kgである。
使用可能な材料は「Onyx」や「NylonWhite」、ULTEM 9085などの数多くの樹脂フィラメントに対応し、連続ファイバー強化フィラメントとして「連続グラスファイバー」「連続カーボンファイバー」「連続アラミドファイバー」「ULTEM 9085フィラメント用連続カーボンファイバー」など、あらゆる補強用長繊維材料を使用できる。連続カーボンファイバー強化プロセスにより、母材となる樹脂フィラメントに、補強用長繊維材料を連続でパーツ内部に織り込みながら造形を行うことで、非常に高い強度を実現できる。
FX20のモックアップ展示の横には、Onyxと連続カーボンファイバーで造形された協働ロボット用パーツや、ULTEM 9085とULTEM 9085フィラメント用連続カーボンファイバーで造形したトレーテーブルブラケット、Onyxで造形した大型のセンサーブラケットなど、FX20で出力した大小さまざまな造形サンプルを紹介していた。
2021年12月に、新たにマークフォージド・ジャパンの日本統括責任者に就任したトーマス・パン氏は「高強度かつ高精度なCFRPパーツを作れるMarkforgedの3Dプリンタは、既に多くの製造現場に導入が進んでおり、特に治工具や産業用ロボットハンドの製造などに用いられ、現場の製造プロセス変革に役立てられている。そして、その効果をさらに拡大しようと追加導入に踏み切る顧客も増えてきている。また、新たに投入するFX20によって実現される、ULTEM 9085と連続カーボンファイバー強化プロセスの組み合わせは、航空宇宙分野などへその可能性を大きく広げるものになるだろう。こうしたMarkforgedの魅力を伝えていくことで、日本国内での認知度をさらに高めていきたい」と意気込みを述べる。
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