三好氏は、「近年、さまざまな国で、カーボンニュートラルに向けた動きが加速する中、再生可能エネルギーの電力によって水を分解し製造するグリーン水素などのクリーンなエネルギーが注目されている。水素と空気中の酸素を化学反応させて発電する燃料電池には、より高いエネルギー効率と耐久性の向上、コスト削減が望まれている。しかし、水素燃料電池は、供給する水素を一度に全て反応させることが難しく、未反応の水素は循環させて再利用するため、循環部の水素は高温で高湿状態になっている。これまでは、解決策として、水素燃料電池の発電量から推定する他、循環部から水素を抜き取り検査していたため、手間と時間をかかっていた」とコメントした。
続けて、「そこで、パナソニック EW社のスマートエネルギーシステム事業は、これまで蓄積してきた超音波計測技術を活用し、高湿度下で水素の流量と濃度を測れ、水素燃料電池の開発を加速する新計測装置の開発をスタートし、2020年に超音波式水素流量濃度計の試作品をプレスリリースで公表した。プレスリリース後の反響を受けるとともに、市場のニーズを踏まえて、試作品より大流量と広い温度範囲に対応し、高精度に検知できる超音波式水素流量濃度計を開発した」と振り返った。
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