ソフトウェアはクラウドサービスとなっており製品購入後、付属のQRコードを読み取り、ネットワークに接続する。D:PLOYに接続済みのロボットなどは自動認識される。その後、3Dモデルでロボットの作業範囲を設定する。避けるべき人の作業範囲や障害物も登録することができる。そして、アプリケーションに応じた必要な情報を入力すれば、ロボットの稼働準備が整う。ロボットの経路も最短距離を自動で算出するため、サイクルタイムの向上が期待できるという。D:PLOYを通して稼働状況のデータも見ることができる。
OnRobot アジア太平洋地域ジェネラルマネージャーのジェームズ・タイラー氏は「スマートフォンを持ち、多くのアプリケーションを利用している中で、プログラミングをすることはない。ただ、アプリケーションに情報を入力するだけだ。例えばUberなら乗車場所と目的地を入力し、提示価格を了承するかどうかだ。D:PLOYもただ使い方さえ理解すればよく、プログラミングのエキスパートである必要はない」と力を込める。
エンリコ氏も「PCにはかつてDOS(Disk Operating System)が使われていたが、非常に複雑で一般の人が利用できる状態ではなかった。しかし、Windowsが登場してPCが多くの人に使われるようになった。D:PLOYも同じように、新しいプラットフォームとして、多くの企業がロボットによる自動化にアクセスしやすくなるソリューションだと考えている」とアピールする。
日本国内では初年度に100台以上の販売を目指す。OnRobot Japan カントリーマネジャーの鈴木孝氏は「今まではハードウェアのロボットが選ばれta
後に、ハンドが選ばれるというビジネススタイルだったが、D:PLOYによってユーザーの要望を中心に、ハンドやロボット、設備を考えるということを可能にした製品になる。これからはD:PLOYの販売に力を入れていく」と話す。
ユーザーはOnRobotの販売代理店を通してD:PLOYを購入することになるため販売価格はオープンとしているが、大まかな導入費用はD:PLOYのOR:BASE本体が20万円前後、ソフトウェアのライセンス料が60万〜70万円になる見込みだ。D:PLOYは発売したばかりということもあり、当初の初回ライセンス期間は2年程とし、以降1年ごとの更新となるという。ただ、ライセンスが切れても、これまでに構築したアプリケーションは引き続き利用できる。「新しいワークに対応させるなど、アプリケーションを再構築する際に改めて契約する形でも構わない」(鈴木氏)。
いまさら聞けない産業用ロボット入門〔前編〕
製造現場での普及を2倍に、ロボット新戦略が目指すロボットと共に働く未来
事例で振り返る協働ロボットの使いどころ
人手不足対策で完全自動化は逆効果、人とロボットの協力をどのように切り開くか
スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
ロボットハンドのOnRobotが適合メーカーを拡大、ファナックや安川などにも対応Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Factory Automationの記事ランキング
コーナーリンク
よく読まれている編集記者コラム