Cognex(コグネックス)は「SEMICON Japan 2022」(2022年12月14〜16日、東京ビッグサイト)において、ディープラーニングに対応した画像センサー「In-Sight 2800」を用いた高速欠陥検査のデモンストレーションなどを披露した。
Cognex(コグネックス)は「SEMICON Japan 2022」(2022年12月14〜16日、東京ビッグサイト)において、ディープラーニングに対応した画像センサー「In-Sight 2800」を用いた高速欠陥検査のデモンストレーションなどを披露した。
In-Sight 2800は、AI(人工知能)とルールベースのビジョンツールを組み合わせた画像センサーとなっている事前登録済みのアルゴリズムをベースに、エッジデバイス上で学習を行う「エッジラーニング」によって、従来のディープラーニングを用いた手法と比較して、少量の画像サンプルと短い学習時間で設定ができる。その中でも、ViDi EL Classifyツールは分類を行うエッジラーニングで、複数の不具合タイプまたはユーザー定義の機能に基づいて、対象物を自動的に識別、分類する。
「これまでディープラーニングを行うにはGPU付きのPCが必要だったが、エッジラーニングでは端末側で学習、推論ができ、ラインの中に大きなPCを置かなくて済む。ディープラーニングに比べて価格も抑えられる」(説明員)。ブースでは、高速に回転するテーブル上に置いた半導体パッケージの外観検査のデモを実施した。エッジラーニングでの良品、不良品判定に加え、不良品の画像のみディープラーニングによる詳細検査を行い、不良の分類を行った。
ディープラーニングソフトウェアを内蔵した工業用スマートカメラ「In-Sight D900」を用いたデモも行った。テープリール内の半導体に刻まれた極小文字をOCR(光学文字認識)で読み取るデモを行い、ゆがんだ文字も確実に読み取ることに成功した。コグネックスでは、OCRをエッジラーニングで行う機能も2022年12月21日から提供する。
協働ロボットを活用したVGR(ビジョン誘導ロボット)のデモでは、並べられた半導体パッケージのμm単位のずれを認識することに成功していた。認識したずれを基にロボットの動きを補正することができる。クラウド上の設定ファイルを読み出すことで、容易に品種の切り替えができる。「ロボットの動作だけで100%の精度が出るとは限らない。そこにカメラを加えることで、正しい位置に置くことができるようになる。もともとはディスプレイの貼り合わせに用いられていたが、現在は自動車の組み立て工程などでも使われている」(説明員)。
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