コグネックスは2022年4月4日、AI(人工知能)機能搭載の画像センサー「In-Sight 2800」の販売を開始したと発表した。コンパクトボディーでディープラーニングに対応し、簡単な外観検査を画像センサーのみで行うことができる。
コグネックスは2022年4月4日、AI(人工知能)機能搭載の画像センサー「In-Sight 2800」の販売を開始したと発表した。コンパクトボディーでディープラーニングに対応し、簡単な外観検査を画像センサーのみで行うことができる。
工場内でさまざまな形でデータを取得し、それを活用するスマート工場化への取り組みが加速する中で、画像を活用する動きが広がりを見せている。工場内で使用する画像処理機器には大きく分けて3つのカテゴリーがある。1つ目は高度なPCの画像処理性能を生かしたPCベースドビジョンシステム、2つ目が専用機器だが高度な画像処理性能を備えた画像処理システム、3つ目がセンサーの代替を果たす簡単な機能を搭載した画像センサーである。
コグネックスでは従来、画像処理システムとしてディープラーニング機能を搭載した工業用スマートカメラ「In-Sight D900」を2020年に製品化しているが、今回はディープラーニング機能対応を画像センサーレベルにまで広げた。コグネックス ジャパンセールス・ディレクターの立脇竜氏は「後付けで設定を行うだけですぐに使える画像センサーは、ポカヨケレベルの品質判別や検査など工場内の幅広い領域で使われている。こうした画像センサーでもディープラーニングの価値を得られるようにした」と語っている。
新製品である「In-Sight 2800」は、本体サイズが49.2×42.4×24.3mmというコンパクトサイズを実現しながら、ディープラーニングの推論だけでなく学習にも対応できる処理性能、ソフトウェアなどを搭載している。カメラ、レンズ、照明、プロセッサ、I/Oを一体型として提供し、電源ケーブルとLANケーブルを接続し、設定を行うだけですぐに使える。
学習もコグネックスにおいて事前にある程度行っており、画像処理ソフト「In-Sight Vision Suite」の分類ツールである「EL Classify」で、良品と不良品のデータを10枚程度読み込ませるだけで判別可能となるという。また、赤、緑、青、白の4種類の照明を備えていることから、色によって読み取りにくいものを最適に調整することなども可能だ。
IoT(モノのインターネット)対応機能も搭載しており、撮影データをFTP対応のクラウドサーバへ自動送信することなども可能としている。コグネックスではこれらの機能を生かし、自動車用部品の簡易検査や判別、エレクトロニクス業界における嵌合や実装の検査などでの活用を想定している。価格については「通常の画像センサーよりは高くなるが、画像センサーの価格帯内に収まる価格とする」(コグネックス)としている。
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