パナソニック ホールディングスは、Wavelet OFDM方式の通信技術が次世代通信規格「IEEE P1901c」の作業部会で採択されたと発表した。さまざまな媒体でのさらなる通信の長距離化や、近距離高速無線が可能になる。
パナソニック ホールディングスは2022年11月28日、自社開発のWavelet OFDM方式を基にした通信技術が、次世代通信規格「IEEE P1901c」の作業部会で採択されたと発表した。有線、無線、海中などの媒体で利用できる同技術で、社会の隅々までカバーするネットワーク構築に貢献する。
Wavelet OFDM方式を用いた同社の技術は、既に初版の「IEEE 1901-2010」規格にて国際標準として採用されており、「IEEE 1901-2020」規格では、利用通信帯域を2段階で拡大して通信速度を高める機能や、2段階で縮小して通信距離を約2倍延ばす機能などを備える。IoT(モノのインターネット)用途の多様なニーズに対応し、ビルや工場、社会インフラなどの通信手段として広く導入されている。
今回採択された次世代通信規格では、利用通信帯域を標準モードの32分の1倍まで縮小でき、利用周波数を従来のMHz帯からKHz帯まで拡張し、さまざまな媒体においてさらなる通信の長距離化が可能になる。また、アンテナを利用し、微弱電波による無線通信に適用することで、セキュアかつ通信範囲の制限が可能な近距離高速無線も可能だ。
これまで困難だった海中でのIoT通信にも対応するため、情報通信研究機構の事業に採択され、技術開発や実証実験が進められている。
今後、同社はWavelet OFDM技術を次世代通信規格の重要なコア技術と位置付け、さまざまな媒体を介した通信が可能な共通デバイスの開発と国際規格化を推進していく。
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