パナソニックは、同社が提案するIoT向け次世代PLC技術が、国際標準規格「IEEE 1901a」として承認されたと発表した。利用状況に応じて周波数帯域を制御することで、通信速度を切り替えたり通信距離を拡張したりできる。
パナソニックは2019年3月25日、同社が提案するIoT(モノのインターネット)向け次世代PLC(Power Line Communication:電力線通信)技術が、国際標準規格「IEEE 1901a」として承認されたと発表した。
IEEE 1901aは、既に「IEEE 1901」として採用されている同社の「HD-PLC」の基本技術「Wavelet OFDM方式」(標準モード)に、新たに2つの機能を追加したものだ。
1つは、通信速度の高速化だ。利用通信帯域を標準モードの2倍または4倍に広げることで、2倍モードでは500Mbps、同軸線や専用線を利用する4倍モードでは、最大1Gbpsが可能になる。
もう1つは、通信距離の長距離化となる。利用通信帯域を標準モードの2分の1、4分の1に縮小すると通信速度は低下するが、通信距離を標準モードの最大約2倍に延ばすことができる。
このように、利用状況に応じて周波数帯域を制御することで、通信速度の切り替えや通信距離の拡張を行える。住空間をはじめ、ビル内や工場などをカバーする大規模ネットワークなど、さまざまなIoTサービスへの要求に柔軟に対応可能になる。
今後、同社は、IEEE 1901aにおけるIoT PLC技術のライセンス供与と、HD-PLC技術の向上を進める。また、HD-PLCアライアンスなどの団体を通じて、IEEE 1901シリーズに対応する製品の相互接続性を確保するよう努めていく。
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