ダイヘンは、小型アークスタッド溶接機「VRN-1200」とスタッドガン「GSK-221 II」を発表した。インバーター制御にすることで、約70%省エネ化している。また、100kg軽量化、小型化しつつも、最大1200Aの出力に対応するなど耐久性に優れる。
ダイヘンは2022年11月14日、小型アークスタッド溶接機「VRN-1200」とスタッドガン「GSK-221 II」を発表した。希望価格(税込)はVRN-1200が242万円、GSK-221 IIは55万円で、2023年1月より販売を開始する。
VRN-1200は、インバーターでの制御により、アークスタッド溶接のエネルギー消費効率が向上している。従来のサイリスタ制御式と比べ、消費電力とCO2排出量を約70%削減する。
外形サイズは345×633×580mmで、同社従来機から約30%小型化。重量も160kgから60kgへと100kg軽量化しており、製造現場での移動や運搬時の作業負荷を軽減する。
使用率も大幅に向上した。従来機比3倍の12%となり、太径スタッド(M16)を連続施工できる。耐久性にも優れ、最大1200Aの出力に対応する。
アークスタッド溶接モードには、業界初という直流手溶接モードを追加。アークスタッド溶接施工において、補修が必要な場合やデッキプレート溶接施工の際にφ2.6〜7.0mmの本格的な被覆アーク溶接ができる。
スタッドガンGSK-221 IIのハンドルは、人間工学のノウハウを取り入れた形状で、手のひらとグリップの接触面が拡大したことで安定性と作業性が向上した。また、一線式パワーケーブルは制御線を内蔵しており、ケーブルの引き回しを気にせずに作業できることに加え、ケーブルの断線リスクを低減し、耐久性が高まる。
溶接電源の操作パネルには、視認しやすい大きなデジタルメーターを採用。離れた場所からでも、容易に溶接条件などを確認できる。実電流や溶接時間、溶接本数を表示するアークカウンターなどを表示できるため、溶接品質の管理に役立つ。
溶接条件は、溶接電流1A、溶接時間0.01秒刻みで精密に設定可能で、溶接ステップごとに細かく調整できる。条件記憶機能も搭載しており、誰でも高品質な溶接を再現可能だ。
また、モバイルリモコンの使用に対応し、最大50m離れた場所から無線で溶接条件を変更できる。ハンド用スタッドガンのハンドル部は、交換するだけで自動機、ロボット用ガンへ変更できるため、自動化に対応しやすくなっている。
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