3Dプリント可能なバス用部品をオンラインで、入荷待ちによる機会損失を低減3Dプリンタニュース

WIBU-SYSTEMSは、Daimler Trucks&BusesおよびFarsoon Technologiesと提携し、オンラインストア「OMNIplus」を通じて3Dプリント可能なバス用スペアパーツを入手できるサービスを開始した。

» 2022年10月28日 07時00分 公開
[八木沢篤MONOist]

 WIBU-SYSTEMS(ウイブシステムズ)は2022年10月26日、Daimler Trucks&BusesおよびFarsoon Technologiesと提携し、オンラインストア「OMNIplus」を通じて3Dプリント可能なバス用スペアパーツを入手できるサービスを開始したことを発表した。

オンラインストア「OMNIplus」を通じて3Dプリント可能なバス用スペアパーツを入手できるサービスを開始 オンラインストア「OMNIplus」を通じて3Dプリント可能なバス用スペアパーツを入手できるサービスを開始[クリックで拡大] 出所:WIBU-SYSTEMS

 同サービスを通じ、「メルセデス・ベンツ」や「セトラ」ブランドのバスを保有する事業者やサービスパートナーは、さまざまなパーツの中から必要なものを選択/購入し、3Dプリンタで直接パーツを製造することが可能となる。これにより、バス事業者はスペアパーツの入荷待ちによる機会損失を低減でき、安定した運行サービスの提供につなげられる。

 OMNIplusで取り扱う3Dプリント可能なスペアパーツは、3Dプリンタによる製造に適したパーツに限定しており、Daimler Busesの正規ライセンスが付与されたパーツとして販売される。サービス開始直後は、3Dプリント可能なパーツ数は100点ほどだったが、現在、約4万点が3Dプリントに適したパーツとしてオンラインストアに追加されているという。

 同サービスの実現を担う、3Dプリント用のハードウェア/ソフトウェアについては、インダストリアルAM(アディティブマニュファクチャリング)テクノロジーのエキスパートであるFarsoon Technologiesが担当。3Dプリント設計に関わる機密性の高いIP(知的財産)、造形ファイルの準備/3Dプリント製造/請求プロセスの保護については、IP保護およびライセンシングの専門家であるWIBU-SYSTEMSが担当している。

 OMNIplusを通じて、3Dプリント可能なスペアパーツを購入したバス事業者は、WIBU-SYSTEMSの保護テクノロジー「CodeMeter」で暗号化されたパーツのデジタルデータ、造形ファイル準備用ライセンス、実際のプリント用ライセンスの3つのデジタル資産を受け取ることができる。

 造形ファイル準備用ライセンスはFarsoon Technologiesの「BuildStar」で造形準備に用いられ、実際のプリント用ライセンスは「MakeStar」によって、認証されたFarsoon Technologiesの3Dプリンタで製造できるデジタルオブジェクト(パーツ)の数を正確に指定する。これら全てのプロセスはCodeMeterの管理の下で実施され、強力な暗号化アルゴリズムによって、パーツのデジタルデータがリバースエンジニアリングされたり、改ざんされたりしないことを保証するという。また、スマートトラッキング機能とDaimler BusesのSAPシステムとの統合により、バス事業者は購入金額に応じた数のパーツを3Dプリントできる。

 OMNIplusでパーツを購入し、デジタル資産を受け取ったバス事業者が、実際に3Dプリントしてパーツを入手するには、3Dプリンタによる製造プロセスをハンドリングできる最寄りのOMNIplusサービスパートナーにアクセスするか、認証済みのFarsoon Technologiesの3Dプリンタを導入して自社で製造する必要がある。

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