PDMシステムにおけるフォルダの階層はどのように構成すべきでしょうか。新規設計のものであっても、それが将来、流用設計に用いられることも考えられます。また、これまでの設計経験から社内標準部品の利用も考慮した上で、フォルダの階層イメージを作ることが重要となります。
シーン1における設計者Aさんの懸念点に対する回答は、
となります。PDMシステムを活用する場合、設計対象の構成を踏まえた上でフォルダ階層を作成するのも設計者の仕事の1つといえます。
では、「キャビネット」−「フォルダ」以下の階層はどうしたらよいでしょうか。もともと3D CAD運用の中で、設計対象の製品シリーズごとにデータの場所を分類したり、標準的に利用するデータをライブラリとして管理したりすることが多くありますが、PDMの場合もこの考え方と似ています。
設計現場ではさまざまな製品群を扱うことになりますので、それに応じたフォルダを作成する必要があります。例えば、図2の「01_標準部品」以下では、標準ライブラリとしてのフォルダ作成を推奨します。
標準ライブラリとは、頻繁に再利用されるCADデータを格納する場所のことです。JIS規格や社内標準のボルト、ねじ、ナットなどの締結要素、モーターやセンサーといった購入品のCADデータなどをここに格納します。標準部品フォルダは図3のように階層化することも可能です。
見やすく、使いやすい階層化により、設計者間の共有が行いやすくなります。標準部品フォルダへの部品登録は事前に行います。COLMINA CADデータ管理の場合、この階層フォルダの下にデータをまとめる単位として「プロジェクト」を作成します。図4では、標準部品のプロジェクトを示していますが、「02_製品」の下層にある「ROLLER_JIG_A」フォルダ(図2参照)にも同様にプロジェクトを作成します。
この例のように基本的なPDMシステム内の構成を考えることによって、新規設計/流用設計における3D CADデータ管理がしやすくなります。
次回は、実際に3D CADデータをPDMシステムに保存してみます。お楽しみに! (次回へ続く)
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