インダストリー4.0は成果が「ケチャップドバドバ」へ、シーメンスのデジタル戦略 : 製造マネジメントニュース (2/2 ページ)
「Xcelerator」は、フィールド機器やエッジコンピューティング層から、クラウドやアプリケーションソフトウェア層までの各システムを連携させ、これらのさまざまなソフトウェアをモジュールとして組み合わせることで機能を実現させられる統合開発ポートフォリオである。
特徴は主に3つある。1つ目は現実の機器から送信されるフィードバックを確実にデジタルモデルに反映し、かつPLM(製品ライフサイクル管理)を可能にする「デジタルツイン」を実現するということだ。2つ目はアプリケーション開発のためのアプローチを自社の事業計画や組織形態、従業員に合わせて柔軟に変更できるという「カスタム化されたアプローチ」が可能なことである。そして3つ目は、同社パートナーなどから構成される「オープンなエコシステム」が用意されていることだ。
シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア) EVPのロバート・ジョーンズ氏
Siemens Digital Industries Software(シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア) EVPのRobert Jones(ロバート・ジョーンズ)氏は「モノづくりの変革を進めていくためにはデジタルと物理的な世界の融合が不可欠となっている。こうした変革は1社のソフトウェアだけで行えることではない。シーメンスとしての、ポートフォリオ拡充とともに複数のソフトウェア群の連携により、包括的なデジタルツインを実現できる仕組みを整えてきた」と語っている。
従来シーメンスでは、産業用IoT(モノのインターネット)のOSとして「MindSphere」をプラットフォームで展開することを目指してきたが「数年展開を進めてきた中でIoTの価値は独立した単一のプラットフォームでは生まれないという答えに行き着いた。さまざまなソフトウェアやハードウェアの組み合わせによって成り立つものだ。そこでMindSphereはXceleratorの中にモジュールとして組み込みIoTデータの連携として活用する役割へと変えた」とジョーンズ氏は述べている。
Xceleratorの位置付け[クリックで拡大]出所:シーメンス
こうしたデジタルモノづくり開発基盤は、中小企業にとっては費用が掛かりすぎて導入できないケースも多いがジョーンズ氏は「そのためにXceleratorは、SaaS(Software as a Service)型としている。複雑なIT導入の負担が小さく、低価格で導入が可能だ。中堅中小製造業にも積極的に展開していく」と述べている。
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