キヤノンは、第8世代ガラス基板に対応したFPD露光装置の新製品「MPAsp-H1003H」を発売する。既存製品で実績のある投影光学系や超解像技術の採用により、1.5μmと高い解像力を発揮しつつ、65型までのつなぎ目のないパネル製造に対応する。
キヤノンは2022年7月20日、第8世代ガラス基板に対応した、FPD(フラットパネルディスプレイ)露光装置の新製品「MPAsp-H1003H」を同月下旬に発売すると発表した。
MPAsp-H1003Hには、65型パネルを一括で露光できる、第8世代ガラス基板向け「MPAsp-H1003T」の投影光学系が用いられている。また、第6世代ガラス基板に対応する既存品の「MPAsp-E813H」同様、光の位相や強度を制御して露光装置の解像力を高める超解像技術を採用している。
これにより、1.5μm(Line and Space)の高い解像力を発揮しつつ、65型までのつなぎ目のないパネル製造が可能になり、IT用ディスプレイや大型ディスプレイへの要求に対応する。
MPAsp-H1003Hの生産性と重ね合わせ精度をMPAsp-H1003Tと比較すると、従来品の高速ステージ技術を改良し、プレートステージの性能向上を図ったことで、約20%生産性が向上した。MPAsp-E813Hで採用したアライメント方式と倍率補正機構を組み合わせ、重ね合わせ精度は±0.35μmと約20%向上している。
さらに、照明モード切り替え機構と、露光線幅を安定させる露光スリット自動調整(SIC)機構を備えており、多様化する製造プロセスへの対応力を強化し、製造品質を安定させる。
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