工場内での自動化や自律化、省力化を進めていくには、これらを支えるITを含めた仕組みも重要になる。新工場では基本的にさまざまな生産工程で発生する稼働データや品質データなどをさまざまな形で取得しており、これらを必要な形で見える化している。例えば、実装工程では、実装ラインと前段取り状況を見えるようにしたスケジューラーを用意し、生産ラインを止めないように前段取りを進めることができる。また、トレーサビリティーシステムでは、製品のシリアル番号と部品ロットを1対1でひも付ける機能を持ち、不具合があった場合の対象ロットの使用されている製品が一覧となって表示できる。影響のある範囲などをすぐに把握でき、対応できる。
工場内では、これらの工場内の各種情報を表示したディスプレイなどがさまざまな形で表示されており、監視室では異常発生時の対応や配置や設備の最適ななどの判断がリアルタイムで行えるようにしている。
また、OKIではこれらの工場生産のリアルタイム情報を工場内だけでなく、EMS顧客をなど外部にも展開していく計画だ。「モノづくり情報共有サービス」としてOKIのEMSを利用している顧客に対し「自社の製品の生産がどういう状況か」をリアルタイムで活用できるようにしていく。担当者などの情報も閲覧できるようにし、農産物のような「顔の見える生産」を実現していく考えだ。
これらの取り組みを進めることで、生産性のさらなる向上に取り組む。OKI 理事でソリューションシステム事業本部 本庄工場長の篠原誠一氏は「過去5年間で本庄工場では約20%の生産性向上を実現してきた。また、2021年度も生産性は5%程度向上している。新工場の稼働によりさらに2022年度も5%向上を維持していく」と述べている。
また、森氏は「変化に対応力を付けるレジリエンスを目指す。場所にとらわれず、多様なモノを自由自在に作ることができる姿が理想だ。しかし、これは実際には非常に難しい。現実的にはまずは似たようなモノづくりを束ねていき、そこで自由に作り分ける仕組みを目指している」とモノづくりの在り方について語っている。
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