純銅鋳造製造工程での品質維持技術を学習したAIモデルの実証実験製造現場向けAI技術

三菱総研DCSは、純銅鋳造製造工程での品質維持技術を学習したAIモデルが、実業務へ適用できるか否かを検討するための実証実験を、中島合金と共同で実施する。

» 2021年12月24日 14時00分 公開
[MONOist]

 三菱総研DCSは2021年12月13日、純銅鋳造製造工程での品質維持技術を学習したAI(人工知能)モデルが、実業務へ適用できるか否かを検討するための実証実験を実施すると発表した。同月中に実施予定で、中島合金と共同で取り組む。

 純銅鋳物は、CAC100番台のJISで定められた品質水準に保つ必要がある。そのためには、原材料の状態や環境条件など、さまざまな条件のばらつきに対応する必要がある。

 中島合金では、製造工程の途中段階でのばらつき具合を測定して、それに応じて調整用の添加剤の投入量を適正化することで、製品の品質を均一化する技術を持つ。しかし、この技術の継承には、長い時間が必要だという課題があった。

キャプション 品質均一化までのイメージ[クリックで拡大] 出所:三菱総研DCS

 このような課題を解決するため、両社はAI技術を活用して、製造時のばらつき状態と添加剤の投入量の関係を学習し、熟練者の判断を再現することに成功。今回、その実業務への適用可否を判断のための実証実験を実施する。

 具体的には、AIによる判定値の妥当性、現在の業務への適合度、システムの使いやすさについて検証する。この実証実験により、熟練者の技術を若手でも活用可能なノウハウ資産へと昇華させること、熟練者が調整作業から解放され、より難度の高い業務に集中することなどが期待できる。

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