不二越は、ロボットと視覚制御技術を用いた組み立て自動化ソリューション「コネクタ挿入アプリケーション」と高機能な小型制御装置「CFDs」を発表した。正確な取り付けや自動化が困難だったFPCおよびFFCの挿入作業を、高精度に実施できる。
不二越は2021年11月10日、ロボットと視覚制御技術を用いた組み立て自動化ソリューション「コネクタ挿入アプリケーション」と、高機能な小型制御装置「CFDs」の販売開始を発表した。
コネクタ挿入アプリケーションには、同社独自のアルゴリズムを搭載した視覚制御技術が用いられている。スマートフォンや車載ディスプレイなどに使われるFPC(Flexible Printed Circuits)やFFC(Flexible Flat Cable)は、柔らかくて形状も統一されていないことから、これまでは正確な取り付けや自動化が困難だった。同アプリケーションでは、それらの挿入作業を高速かつ高精度に実施できる。
ロボットアーム先端の左右のカメラと視覚センサーが、ケーブル(FPCやFFC)と目標物(コネクター)をステレオ認識し、3次元で位置を正確に把握する。続いて独自のシステムがケーブルと目標物までの移動ルートを自動で計算し、リアルタイムでスキャンして追従補正をすることで、厳密に位置決めしなくても高精度に挿入できる。力センサーなどを併用しなくても、ケーブルの把持からコネクターへの挿入、検査までの作業を1カ所あたり最速7秒で完了する。
対応可能なコネクターサイズは幅5〜41mm。ロボットの中空構造を生かして視覚装置をアームの上に取り付けられるため、周辺機器と干渉せず、さまざまな方向や角度から挿入可能だ。また、QRコードリーダー機能を標準搭載しており、画像情報とひも付けた検査結果などの記録、管理ができる。コネクタ挿入アプリケーションの価格はオープンで、年間120台の販売を目指す。
制御装置CFDsは、従来品「CFD」と比べて容積が60%、重量が48%削減しており、大幅に小型化した。設置場所を選ばない軽量設計で、縦置きや重ね置きが可能だ。
握りやすいティーチペンダントは、高精細なタッチパネルと4コアCPUを搭載し、アイコン表示やフリック操作など使いやすさを向上した。ティーチペンダント本体とケーブルはコネクター分離式で、それぞれ個別に交換できる。また、拡張性が高く、サーボハンド用1軸に、1軸を加えた合計2軸の追加制御に対応する。対応するロボットの機種は「MZ01」「MZ03EL」「MZ04」「MZ07」「MZ07L」「MZ10」「EZ03」「EC06」となっている。
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