特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2021年11月17日 11時00分 公開

事例で振り返る協働ロボットの使いどころいまさら聞けないスマートファクトリー(14)(4/5 ページ)

[三島一孝,MONOist]

人がやっている作業の一部を代替する

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他にはどういうことところに当てはまりそうですか。


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人が行っている作業丸ごとではなくて、一部を協働ロボットに代替できないかということを考えるのもよいと思うわ。全てを置き換えるとなると大変だけど、組み立て作業の一部が単純作業であればそこを協働ロボットに担わせて人手との組み合わせで作業効率を上げるということは可能だと思うの。


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なるほど、作業全てを協働ロボットに置き換えて自動化するのは大変ですけど、一部であれば使えるところがありそうです。ちょっと便利な工具や治具として協働ロボットを使うという発想でしょうか。


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そうね。例えば、パナソニックの新潟工場では、2人で行っていた作業の片方を協働ロボットに担わせることで省力化を進めた取り組みを行っていたわ。自動化であれば保全含めて新たな仕組み作りが必要になるけれど、人が関わった省力化であれば、人がある程度の調整を行えるために、仕組みをそれほど大きく変更せずに導入できる利点があるわ。


 パナソニックの新潟工場では照明器具などを生産しています。その中で、曲げ加工を行った金属部品に必要な部材を取り付け、ネジ締めを行う工程で協働ロボットを活用していました。従来ネジ締め作業は人が行っていましたが、長尺の製品では移動距離が長くなるため2人体制で行っていました。この1人分の作業を協働ロボットに代替させたというわけです。これにより、生産性は従来比で33%向上したといいます。

 作業全てを協働ロボットによって自動化するのは、ライン構築の負荷の面、自動化による保全負荷という点、また協働ロボットのコストなどの問題から、工場によっては当てはめられるところが少ないかもしれません。しかし、人手による作業の一部で、ネジ締めや嵌合、またパーツ整理や整列作業など、単純作業が含まれる場合もあります。これらを切り出して、協働ロボットを当てはめることを考えると、適用範囲が広げられる可能性があります。

photo パナソニック新潟工場における協働ロボットと人の共同作業[クリックで拡大]
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確かに一部の置き換えであれば取り組みやすそうですね。


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完全に自動化をするとバッファーがなくなって万が一があった時にその工程が全て止まってしまう可能性があるわ。一部を代替させる省力化の方向性だと何かあった時は人手でカバーできるので、そういうリスクも小さくなる利点があるわね。


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