矢野経済研究所は、世界のワイヤレス給電市場に関する分野別動向と将来展望を発表した。世界市場は、事業者売上高ベースで、2021年は前年比111.5%の4301億円、2031年は1兆5496億円に達すると予測している。
矢野経済研究所は2021年9月14日、世界のワイヤレス給電市場に関する分野別動向と将来展望を発表した。ワイヤレス給電世界市場(事業者売上高ベース)は、2021年は前年比111.5%の4301億円、2031年は1兆5496億円に達すると予測している。
同調査は、小型電子機器、EV、産業機器などを対象に、ワイヤレス給電部品メーカー、ワイヤレス給電機器メーカー、ワイヤレス給電アプリケーション企業、業界団体などに対して2021年4〜8月に実施した。
ワイヤレス給電システムは、スマートフォンなど小型電子機器を中心に成長しており、2021年の全出荷数量は前年比115.1%の6億8180万個を見込む。
小型電子機器では、スマートフォンのほか、スマートウォッチやワイヤレスイヤホンなどの中価格帯モデルでも標準搭載するようになっている。今後は、タブレットやスピーカーにも採用が広がると予測している。
EVでは一部の国でオプション搭載しているものの、現在は本格採用に至っていない。2030年以降から停車中の給電を皮切りに、走行中の給電へと段階的に普及すると予測している。
AGVや搬送システム機器など産業機器では、省人化、無人化、搬送効率の向上のため、工場への導入が進む見込み。その他に、モビリティや医療機器でも採用が始まっており、少子高齢化傾向の国の多くで、カートや小型モビリティ、電動アシスト自転車向けの需要が増えるとしている。
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