ダイヘンは「2019国際ロボット展(iREX2019)」に出展し、“工場内物流の自動化に新提案”と題して、400kg可搬の無人搬送車(AGV)「AiTran400」を参考出品した。
ダイヘンは「2019国際ロボット展(iREX2019)」(2019年12月18〜21日、東京ビッグサイト)に出展し、“工場内物流の自動化に新提案”と題して、400kg可搬の無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)「AiTran400」を参考出品した。
展示ブースに設けられたデモスペースでは、AiTran400が工場内をイメージした狭いエリアを自律走行する様子やロボットアームとの連携、ワイヤレス給電の様子などを見ることができた。
同社が展開する「AiTranシリーズ」は、ガイドレス自律走行、オムニホイールによる全方位移動、レーザースキャナーとカメラによる精密位置決め、ワイヤレス給電による24時間稼働が特長のAGVである。今回参考出品したAiTran400の他、可搬質量700kgの「AiTran700」、同1000kgの「AiTran1000」をラインアップ。
AiTran400は外形寸法が700×900×365mmと、AiTran700およびAiTran1000よりも小型(※)で、走行速度も時速4.8km(1分間で80m)と、シリーズの中でトップクラスの動作速度を誇る。
※AiTran700およびAiTran1000の外形寸法は共通で、1230×1480×400mmである。
また、オープンソースのロボット用アプリケーションフレームワーク「ROS(Robot Operating System)」をサポート。ROSを採用したロボットアームなどを台車部に搭載し、容易に制御することが可能だという。
台車部の前面には、同社のAGV用ワイヤレス給電システム「D-Broad Slim」(最大出力電流は30A)を搭載し、AiTran400と搭載ロボットのワイヤレス充電を可能とする。充電中、AiTran400は静止する必要があるが、ロボット部はそのまま動作させることもできる。
「D-Broadシリーズ」は磁界共鳴方式を採用し、コイルの位置ズレに強く、高効率で安定した充電が行える点が特長。産業分野で磁界共鳴方式を採用したのは「世界初」(同社)だという。送受電コイル間の距離が最大40mm空いていても充電可能で、かつ停止位置が±10mmズレても問題なく充電が行える。
「D-Broadシリーズは、AGVのサイズや蓄電デバイスに合わせて豊富なラインアップから選択可能だ。既に稼働しているAGVに後付けすることもできる。AGV向けのワイヤレス給電システムとして、現在、多くの現場で採用されている」(同社説明員)
ちなみに、同社のD-Broadシリーズには東芝インフラシステムズのリチウムイオン電池「SCiB」の産業機器向けモデル「SCiB SIPシリーズ」が採用されている(関連記事:マツダの「SCiB」採用は「Mazda3」だけじゃない!? AGVの鉛電池も置き換え)。
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