NODとネクアスは、バイオマス素材と3Dプリンタで循環型の都市づくりを目指すプロジェクト「Recapture」を開始した。第1弾として、生分解性酢酸セルロース素材を使用した大型3Dプリント家具を発表した。
NODは2021年8月31日、ネクアスとともに、バイオマス素材と3Dプリンタで循環型の都市づくりを目指すプロジェクト「Recapture」を開始した。第1弾として、ネクアスが開発した生分解性酢酸セルロース素材「NEQAS OCEAN」を使用した大型3Dプリント(3DP)家具を発表した。
Recaptureは、「自然と人間のつながりを捉え直し、有限の資源を利活用する循環型都市を実現する」プロジェクトだ。Recaptureでは3Dプリンタにより、酢酸セルロースなどの生分解性バイオマス素材や有機廃棄物などを加工、再利用し、素材の面から環境負荷の低い都市を作ることを目指す。
プロジェクトの第1弾は、NEQAS OCEANを素材とし、3Dプリンタによって作られた自然に還る大型3DP家具だ。
酢酸セルロースは、木材繊維や綿花など自然由来の資源を用いた素材で、高い分解性を持ち、使い終わった後は土に埋めたり、海中に沈めたりすることで水と二酸化炭素に分解される。酢酸セルロースの自然界での分解速度は1~3年とされており、10~100年かけて分解される汎用(はんよう)樹脂よりも早い循環サイクルで利活用できる。
NEQAS OCEANは、酢酸セルロースに可塑剤などを配合した熱成形できるセルロース系バイオマス素材だ。可塑剤には食品添加剤や宇宙食にも使用される自然、人体への影響のない素材を使用している。
今後も3Dプリンタと再利用可能素材を使用し、モビリティや建築物、建造物などの都市を構成する要素を構築していく予定だ。
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