軸受荷重を直接測定する、鉄鋼圧延設備向け軸受荷重センシング技術を開発FAニュース

ジェイテクトは、鉄鋼圧延設備向けの軸受荷重センシング技術を開発した。センシング軸受を組み込んだロールを鉄鋼圧延設備に取り付け、軸受荷重を直接測定することで、設備の状態を迅速かつ正確に把握する。

» 2021年07月15日 07時00分 公開
[MONOist]

 ジェイテクトは2021年6月29日、鉄鋼圧延設備向けの軸受荷重センシング技術を開発したと発表した。同技術を用いることで、設備状態の見える化や壊れない軸受を提案し、設備の健全化と生産性向上を支援する。

 鉄鋼圧延設備の管理は、温度や振動変化の傾向を一定期間管理し、過去の経験に基づいて健全化を図る対応が主流だ。

 同社は、鉄鋼圧延設備の軸受荷重を直接測定することで、設備の状態を迅速かつ正確に把握する荷重センシング技術を開発。センシング軸受を組み込んだロールを鉄鋼圧延設備に取り付け、オンラインで2〜3時間ほど軸受荷重を測定する。ロール交換やオフライン後に測定データを回収し、データを分析する。

キャプション 荷重測定方法の概略(クリックで拡大) 出典:ジェイテクト

 測定データから、仕様に対する荷重の妥当性や不具合、メンテナンス状態などを検証することで、設備の健全性を見える化する。また、高速化や高張力鋼といった難圧延材への対応など、厳しい負荷条件でも信頼性の高い設備改修が可能になる。軸受の破損原因の推定や最適設計による壊れない軸受の提案もできるため、設備の安定稼働と生産性向上につながるという。

キャプション 軸受の円周方向回転動体荷重分布(クリックで拡大) 出典:ジェイテクト

 既に実際の生産現場で、同技術を用いた設備健全化の提案を開始している。今後は、ワイヤレス化によるセンシング軸受の組み付けの簡易化、自己発電などを利用した長時間測定に取り組んでいく。

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