キャディは2021年6月15日、国内の半導体製造装置メーカーを対象とした資材の調達課題に関するアンケート調査の結果を発表した。調査では、取引中のサプライヤーの製造キャパシティーが原因で発注に課題を抱える企業が全体の約6割を占めていた。
キャディは2021年6月15日、国内の半導体製造装置メーカーを対象とした資材の調達課題に関するアンケート調査の結果を発表した。調査では、取引中のサプライヤーの製造キャパシティーが原因で発注に課題を抱える企業が全体の約6割を占めていた。
調査は2021年6月4日〜7日にかけて、キャディのオンラインセミナー参加者を対象に実施した。回答者は国内の半導体製造装置メーカーに勤める担当者32人である。
資材調達の過程で難しさを感じる点について尋ねると、全体の97%が「納期」、81%が「価格」、72%が「品質基準」と回答した。44%は「サプライヤーからの供給の安定性」と答えた。
直近1年間で、既存サプライヤーの製造キャパシティー超過が原因で発注ができない、あるいは遅延した経験があるかを聞くと、全体の59%は「はい」、25%が「いいえ」と回答した。
現状の資材調達コストについて「満足していない」と答えたのは回答者全体の72%だった。その理由については「顧客のコスト要求に合わせるため、さらなるコスト低減が必要」「顧客からの製品価格低減要求が強い。調達に関わる間接コストが高い」「一品物の価格基準を定めるのが難しい」といった声が寄せられた。
サプライヤーの新規開拓については、全体の66%が検討中、あるいは実施中と答えた。その理由について尋ねると「半導体製造装置の受注拡大が見込まれるため」「既存サプライヤーのリソース/キャパシティーが不足していて、頼ることに不安があるため」などの回答があった。
今回の調査結果についてキャディは、半導体需要が増加して「半導体不足」と呼ばれる状況が世界中で続いていることに触れた上で、「担当者の多くがQCDに関する課題を認識している。背景には、調達のリソース不足や交渉の厳しさがあると考えられる。既存サプライヤーのキャパシティー超過という課題にも直面しており、新規サプライヤー開拓の動きも活発化している。今後も需要拡大が見込まれる半導体業界の調達シーンでは、体制強化がますます重要になるだろう」と総括した。
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