アルプスアルパインとSensirionは、周囲の二酸化炭素濃度と温湿度を高精度に検出する空気循環センサーモジュールを開発した。PM2.5や揮発性有機化合物、アルコールを検出するセンサーの複合搭載の検討も可能だ。
アルプスアルパインは2021年6月9日、周囲の二酸化炭素(CO2)濃度と温湿度を高精度に検出する空気循環センサーモジュールを、Sensirionとの協業により開発したと発表した。PM2.5や揮発性有機化合物(VOC)、アルコールを検出するセンサーの複合搭載の検討も可能だ。
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多くの既製CO2センサーは、非分散赤外線吸収(NDIR)方式を利用している。この方式では、赤外線の射出機と受信機の間にあるCO2分子により吸収された赤外線の変化量から、CO2濃度を検出する。
一方、開発したモジュールに搭載したCO2センサーは、光音響分光方式(PAS)を採用。射出した赤外線に触れたCO2分子の振動音をマイクで収音することで、CO2濃度を検出する。
検出精度が赤外線の通り道の長さに依存するNDIR方式と比べて小型化が可能で、本センサーのサイズは10.1×10.1×6.5mmと小型化に成功した。また、NDIR方式と異なり検出器が不要なため、輸送時などに発生する恐れのある外部衝撃などによる検出誤差を生じない。
新型コロナウイルス感染症の感染対策として室内換気が有効とされているが、常時換気は人間にとって不快な室内の温湿度を招く懸念がある。一方、温湿度を優先させると十分な換気ができていない可能性が出てくるため、感染対策につながる有効な換気ができる最適なタイミングを把握する高精度なセンサーは必要とされていた。
アルプスアルパインでは、2022年度からの量産を予定しており、月産30万個を計画している。飲食店やエンタテインメント施設での感染対策に加え、家電の省エネ機能や運転手の居眠り防止向けなど幅広い用途での活用を見込み、2023年度中に10億円超の売上を目指す。
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