東京大学とシェルハメディカルは、低コストかつ簡便な人工膝関節置換術用AR手術ナビゲーションシステム「Ortho Raptorナビゲーションシステム」を開発し、医療機器薬事承認を取得した。
東京大学は2021年4月12日、シェルハメディカルと共同で、低コストかつ簡便な人工膝関節置換術(TKA)用AR(拡張現実)手術ナビゲーションシステム「Ortho Raptorナビゲーションシステム」を開発したと発表した。同年2月22日に、国産TKA用手術ナビゲーションシステムとしては初となる、医療機器薬事承認を取得している。
同システムは、市販のモバイル携帯端末を使用することで、低コスト化に成功している。また、手術室の無影灯下でも視認しやすいように、可視光領域の反射率が1%以下の低反射特殊技術を用いて、手術用のARマーカーを開発した。
このARマーカーは手術器械に取り付けるため、患者に固定する必要がなく、手術中の骨折リスクを避けられる。計測誤差は0.5?、0.8度で、高性能な計測を可能にしている。
TKAでは、正確な骨切りをアシストする手術ナビゲーションシステムが導入されている。しかし、高価で操作が難しく、患者の骨折リスクなどもあることから普及が進んでいなかった。
今回開発したシステムにより、TKAにおけるナビゲーション手術の促進が期待される。原理的には人工股関節置換術などにも展開できるため、膝関節、股関節を合わせた関節症患者へ適応し、術前三次元計画情報や術中運動計測の連携も含めた複合的なシステムの構築も目指すとしている。
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