インフォアジャパンは2021年4月14日、サプライチェーンマネジメント(SCM)のデジタル化を支援する自社のソリューション群について説明会を開催した。グローバルサプライチェーンが抱える課題を提示するとともに、同社のソリューション群がそれらをいかに解決するかを解説した。
インフォアジャパンは2021年4月14日、サプライチェーンマネジメント(SCM)のデジタル化を支援する「Infor CloudSuite SCP」や「Infor Nexus」などのソリューション群について説明会を開催した。グローバルサプライチェーンが抱える課題を提示するとともに、同社のソリューション群がそれらをいかに解決するかを解説した。
インフォアジャパン ソリューションコンサルティング本部の佐藤泰氏は、グローバルレベルでのサプライチェーンの現状について「近年、世界各国での輸送需要が大きな高まりを見せている。こうした変化が、世界中のサプライチェーンに対して、輸送コストの高騰や、輸送スケジュールへの信頼性低下、労働力不足などの混乱を生じさせている」と指摘する。
例えば、船舶での輸送予約をしていたはずが、コンテナの積み込みスペースが確保できず次の船に回されるというケースが生じている。このためサプライチェーン下流の小売り店舗では商品が確保できず、品不足になる事態も生じているという。
こうした課題を解決する上で必要となるのが、デジタルツールの導入によるエンドツーエンドでのサプライチェーンの状況可視化である。「メーカーにとってはサプライチェーン上での問題発生を素早く把握して早期対応を行えるようになる。チェーンの回復力を高め、結果としてコスト削減や顧客へのサービス向上を実現することにつながる」と佐藤氏は指摘する。
インフォアが提供するサプライチェーンソリューションはこれらの課題を解決するための要素を組み入れている。サプライチェーンの情報はサプライヤーや取引先の他メーカー、輸送会社、小売り店舗など、さまざまなステークホルダーに分散しており、互いに複雑につながりあっている。これらを可視化して、SCMの実施を容易にすることを目指す。
SCMを適切に遂行する上では、まず統合ビジネス計画(IBP)やセールス&オペレーションプランニング(S&OP)、需給計画/予測の策定や生産スケジューリングが必要になる。これらを同一のプラットフォーム上で実行するソリューションが「Infor CloudSuite SCP」である。
また、サプライヤーや輸送会社、銀行などの金融機関とのやりとりの自動化に加えて、情報/プロセス/資金などの流れを可視化、管理するソリューションとして「Infor Nexus」がある。サプライヤーへの注文確定や梱包(こんぽう)、出荷プロセス、請求書承認プロセスを自動化する他、サプライチェーンが抱える潜在的な障害やその影響範囲の予測などを可能にする。
この他、倉庫内物流管理を支援するアプリケーションと倉庫管理データの可視化、一元的な管理を実現する倉庫管理システム「Infor Cloud WMS」も提供する。ピッキングロボットやパレット搬送ロボットなど各種物流ロボットとシステムを連携させることで、倉庫管理やピッキング作業の効率化も図れる。
佐藤氏は「サプライチェーンは資材調達に関わる調達物流、倉庫内の物流である構内物流、出荷に関わる製品物流の3領域に大別できる。この内、調達物流と製品物流はグローバルな規模になればなるほど、リアルタイムな状況の可視化が困難になる。ここにデジタルサプライチェーンの価値が出てくると見込んでいる」と語った。
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