NVIDIAはユーザーイベント「GTC 2021」において、複数の3Dアプリケーションを使い分けて作業する地理的に分散した3D設計チームが、それぞれの場所にいながら共有の仮想空間内でリアルタイムなコラボレーションを実現できるプラットフォーム「NVIDIA Omniverse Enterprise」の一般提供を開始すると発表した。
NVIDIAは2021年4月12日(現地時間)、オンラインで開催中のユーザーイベント「GTC(GPU Technology Conference) 2021」(開催期間:同年4月12〜16日)において、複数の3Dアプリケーションを使い分けて作業する地理的に分散した3D設計チームが、それぞれの場所にいながら共有の仮想空間内でリアルタイムなコラボレーションを実現できるプラットフォーム「NVIDIA Omniverse Enterprise」の一般提供を開始すると発表した。
Omniverseは、メンバーや関係者が地理的に分散している3D設計チームの業務を支援するグラフィックス/シミュレーションプラットフォームで、「NVIDIA RTX」とPixarがオープンソースで公開している汎用(はんよう)シーンフォーマット「Universal Scene Description(USD)」を用いて、各メンバーが異なる3Dアプリケーションを用いて制作した成果物を、同一プラットフォーム上でシームレスかつリアルタイムにつないで利用、共同作業することができる。
3D設計チームはOmniverse Enterpriseを使用することで、従来行ってきた対面ミーティングや膨大なファイルのやりとりから解放され、場所や使用するデバイスを問わず、共有の仮想空間内でリアルタイムかつシームレスに3D設計作業が行える。
共有仮想空間でのリアルタイムなコラボレーションを実現するOmniverse Enterpriseには、クライアント間で共有されるデータベースを管理する「NVIDIA Omniverse Nucleus サーバ」と、主要な3Dアプリケーション(Autodesk Maya、Revit、Adobe Photoshop、Trimble SketchUpなど)とのプラグインを可能にする「NVIDIA Omniverse Connectors」が含まれる。
さらに、Omniverse Enterpriseはエンドユーザー(クライアント)向けアプリケーションとして、シーンの構成を高速化し、リアルタイムかつインタラクティブなシーンの組み立てや照明、シミュレーション、レンダリングなどが可能な「NVIDIA Omniverse Create」と、フォトリアリスティックなレンダリングにより、建築/土木プロジェクトのシームレスな共同デザインおよび可視化を支援する「NVIDIA Omniverse View」の2つを提供する。
Omniverse Enterpriseの使用環境については、NVIDIA RTX搭載ノートPC/デスクトップPC、「NVIDIA EGX」プラットフォーム用に設計された「NVIDIA-Certified Systems(NVIDIA認証システム)」で動作するようにテスト/最適化されており、あらゆる規模の3D設計チームに展開可能だとする。
既に、BMWグループやフォスター・アンド・パートナーズ、WPPといった企業がOmniverse Enterpriseの早期評価を行っている他、3カ月前に提供開始したOmniverseの個人向けオープンβにおいては約1万7000人がダウンロード済みだとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.